ラベル ジブリの雑学&豆知識 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ジブリの雑学&豆知識 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2024-03-11

【ひ、ヒゲがない!!!】宮﨑監督、『風立ちぬ』後の引退会見→撤回を反省していた


『君たちはどう生きるか』、第96回アカデミー賞で長編アニメーション映画賞を受賞しました。それを受けて鈴木敏夫プロデューサーが11日に会見を行いましたが、それよりも前に多くの方が驚いたのは、オスカーにノミネートされた際の宮﨑監督と鈴木プロデューサーのインタビュー動画でしょう。


え!?


宮﨑監督、ヒゲがない!!!!!

もはや近年のトレードマークとも言えた監督のヒゲが綺麗に剃られている!!!!!

2023-11-02

『君たちはどう生きるか』公式ガイドブックに収録されている宮﨑監督のメインスタッフへの作品説明は多くの人が読むべきものである


ジブリ作品『君たちはどう生きるか』の公式ガイドブックが発売されました。こちらは作品を上映した映画館、TOHO animation STORE、三鷹の森ジブリ美術館オンラインショップ「マンマユート」で販売されています。そしてこの作品を理解する上で、雑誌SWITCH9月号と同じく非常に重要な一冊となっております。(※SWITCH9月号は、10月号の対談などと合わせて『ジブリをめぐる冒険』というタイトルで書籍化されましたので、この投稿の最後に掲載いたします)


ほとんどのページが重要かつ面白いのですが、今回は、特に宮﨑監督が2017年7月3日にメインスタッフへ行った作品説明が作品および宮﨑監督のパーソナルな思想を理解する上で非常に役に立つため、そちらをご紹介します。

以下、監督の作品説明です。

2023-10-23

安心してください、『君たちはどう生きるか』は、宮﨑監督にも分からない作品です。


『君たちはどう生きるか』、無事にヒット作となりました。しかし、ジブリ作品としては難解な部類に入るため、「意味が分からない」という意見も多いようです。何らかの暗喩を読み取らなければいけない作品としては平易な部類に入るのですが、この手の作品に慣れていない方には「何が言いたいのか分からない」作品であるようです。

しかし、安心してください。履いてm この作品、作った宮崎監督も完全に理解しているわけではなかったようです。

以下、フル・フロンタルというウェブサイト(https://fullfrontal.moe)に掲載された井上俊之さんへのインタビューからの抜粋です。

2023-10-22

実現していたら印象が大きく違っていたかも?製作できなかった『天空の城ラピュタ』のラストシーン


今回は、書籍『スタジオジブリ物語』より、当初存在していた『天空の城ラピュタ』のラストシーンのアイデアをご紹介します。以下、その部分抜粋です。

物語のラストシーンでは、パズーが製作中だったオーニソプター(羽ばたき飛行機)を登場させるアイデアもあったが、オーニソプターを飛ばすとなると作画が難しくなるため、これは見送られた。そのかわり本編で活躍したのがフラップター。これは昆虫型羽ばたき飛行機で、英語のフラップ(羽ばたくという意味)をもとに宮﨑が命名したものだ。

このオーニソプターへの宮崎監督の愛は熱いもので、かつて販売されていた書籍『宮崎駿イメージボード集』では、このオーニソプターとフラップターへの思いを4ページに渡って描いておりました。

2023-10-21

『天空の城ラピュタ』には幻のエンディング、別のエンディングは存在しません。


今回は、タイトル通り『天空の城ラピュタ』には幻のエンディング、別のエンディングは存在しないという話です。こちらに関しましては、既に2002年にスタジオジブリから公式に否定する文章が出されているにも関わらず、いまだに質の低いネット記事が煽り立てているため、当ブログでも言及したいと思います。(実は過去に別のネタで一度言及しているのですが、改めてこの件を主題として書きたいと思います)

その文章は、スタジオジブリ公式サイト内の「いつものジブリ日誌(後にジブリ日誌に改題)」2002年12月13日分にて書かれております。以下、該当部分をそのまま抜粋します。

ちなみに一部で「天空の城ラピュタ」に別のエンディングがあるという噂が流れているようですが、そういうことは一切ありません。恐らく、アニメージュ文庫で出ている小説版に後日談がほんの少し書かれており、また、映画公開後に宮崎さんが描いたイラストには後日談を連想させる物があること(たとえば「スタジオジブリ作品関連資料集I」の65ページ掲載のイラスト。パズーがオーニソプターに乗ってシータを訪問する様が描かれています。ちなみにこの「作品関連資料集」シリーズも、マニアックな指向性のある方には大変面白い本です、とPR)などから膨らんだ想像が、いつのまにかそういう噂になったのでしょう。

2023-09-10

宮﨑監督は既に次回作のアイデアを考え始めたそうです。


IGNなどのニュースサイトによって、宮﨑監督は『君たちはどう生きるか』で終わるつもりはなく、既に次回作のアイデアを考え始めていることが明かされました。

これは『君たちはどう生きるか』(英題:『The Boy and the Heron』)の上映が行われたトロント国際映画祭にて、スタジオジブリ広報・学芸担当スーパーバイザーの西岡純一さんがCBC Newsのインタビューに対して答えたもので、わたしたちにとっては本当に嬉しいニュースですね!

以下、その部分抜粋です。

(宮崎監督は)これが引退作になるのか、と問われた西岡は「世間ではそういう噂もありますけれども、本人は全然そう思っていなくて、今も次のアニメーションの構想をもう考えているんですよ」と返答。「だから、毎日、今も会社に来て、“次のアニメーションをどうしようか”ということを言っていますから、今回は引退宣言はしません」と語った。
出典:IGNより

2023-09-02

雑誌「SWITCH」 Vol.41 No.9(2023年9月号)から判明した『君たちはどう生きるか』の登場人物のモデル


雑誌「SWITCH」 Vol.41 No.9(2023年9月号)はお読みになられましたでしょうか?




この号はジブリ特集、特に『君たちはどう生きるか』に関連した特集号となっており、非常に興味深く重要なことがたくさん書かれております。特に、鈴木敏夫プロデューサーと小説家の池澤夏樹さんの対談は今作を理解する上でかなり重要なものとなっておりますので、今回は、その対談から作品に登場したキャラクターのモデルになった人たちについて書かれた部分を抜粋してご紹介します。

まずはこの大叔父から。


以下、その対談です。

2023-07-21

知っておけば宮崎アニメがよく理解できるようになる、『もののけ姫』のインタビューで語っていた宮崎監督の言葉


今回は、雑誌『別冊COMIC BOX vol.2 「もののけ姫」を読み解く』に収録されている、宮崎監督のインタビューから、現在の私たちにとっても非常に重要で、かつ宮崎監督の思想がよく分かる部分を抜粋してご紹介します。これらは『君たちはどう生きるか』やコミック版のナウシカとも通底している宮崎監督の考え方ですので、知っておくと「宮崎アニメ」をより理解しやすくなるものとなっています。









以下、『もののけ姫』について語りながら、宮崎監督の思想がよく分かる部分を抜粋していきます。

――別々の文化が並立して存在することや、別々の文化であっても共通性があるという認識がこの映画にあると思います。そういう映画をつくるにあたって、現代に向けてのメッセージは。

宮崎  全然ないです。
 メッセージで僕は映画を作りませんから。
 ただ、この映画が現代に共通する点があるとしたら、それは、自然と人間との関わり合いだと思います。
 僕らは、「自然に優しい」とか、「宇宙船地球号」などと一言も言った事はないんです。「自然に優しい映画を作るジブリ」というブランドがかってに横行するようになって、それが嫌なのですよ。
 そう誤解されても、しようがないと思わざるを得ないのですけれど、この十数年、とにかく色々と作品を作ってきて、この大きな転換点にきているのに、「自然に優しいジブリ」で終りたくなかったのです。
 だから、自然と人間との関わり合いをもっと突き詰めて追求して行く。すると、人間のやってきた事の業というか、文明の本質にある攻撃性とかが見えてくる。散々、相手を痛めつけて、おとなしくさせてしまってから、「周りに残った者に優しくしよう」と言っているに過ぎないんです。
 文明の本質みたいなことをちゃんと描かないで、「優しくする人、よい人」「優しくしない人、悪い人」という考え方で切り捨てていくのは、間違いだと思います。
 優しかろうが、優しくなかろうが、人間は自然に対して極めて狂暴に振る舞ってきたんです。
 それで、自分達が選ばれた者であるとか、この人類が一番高等な生き物であるとか言い出す。 ある時には、人類の中のある部分が一番高等だと順番をつけたがる。
 今また、「優しくする人、よい人」「優しくしない人、悪い人」という判断の単純化が進んでいる。そんなものではないんです。よいとか悪いとかでなくて。

 こういう人間の本質みたいなものを据えた、自然と人間との関わり合いを描く映画を作りたいと思っています。 それはメッセージというものでもなく、自分自身に回答が出ていないから、甚だ迷走しながら映画を作ったんです。
 この映画は、「悪い人間が森を焼き払うから正しい人がそれを止めた」という映画ではないのです。
 よい人間が森を焼き払う。それをどう受け止めるかなんです。

2023-07-15

宮崎駿、押井守、庵野秀明の3人が山小屋で「少女漫画の映画化」について語っていた!


今回は、書籍『ジブリの教科書17 コクリコ坂から』に収録されている、鈴木プロデューサーによる「汗まみれジブリ史 今だから語れる制作秘話! 社会全体が前向きだった時代を悪戦苦闘して描いた青春映画」より、豪華な会合をご紹介します。サラッと書いてありましたので、サラッとご紹介。

 遡ること二十年前。信州の山小屋で夏休みを過ごす際、宮さんは姪っ子が置いていった少女漫画雑誌を繰り返し読んでいました。その中で目にとまったのが『耳をすませば』と『コクリコ坂から』。遊びに来た押井守や庵野秀明らと、「どうやったら少女漫画を映画にできるか」を議論したりもしていました。

仲良し三人組、山小屋で少女漫画を語る!


この議論、聞きたい!議題となった作品は、やはり『耳をすませば』と『コクリコ坂から』なのでしょうか?どちらも宮崎監督は監督をすることはありませんでしたが、参加はしていますので、ここでの議論が作品に活きたのだとしたら、『耳をすませば』も『コクリコ坂から』もある意味非常に豪華なクリエイターたちが参加した作品ということになるのではないでしょうか?


2023-05-27

【ちょっと残念かも】宮崎監督はジブリ版『魔女の宅急便』のキキとトンボが恋仲になったとは思っていない。


ジブリ版『魔女の宅急便』、観終わったあとに、皆さんはキキとトンボの関係はどうなったと思いましたか?


多くの方は、その後二人は恋人同士になったのだと思ったのではないでしょうか?私もそう思いました。実際に、原作小説ではキキとトンボは結婚し、子供も生まれます。ですから、やはり映画版でも二人は恋人になり、やがて結婚したのだろう…と推測するのは自然な解釈だと思います。

ですが、そこが「原作のある作品を映画化する」ということの微妙な問題なのです。ある作品が、例えば小説が映画化する場合、設定や物語などが一切変らわず、100%原作に忠実に描かれるとは限らないのです。

ここには様々な事情が絡んでいるのですが(媒体の変化による変更の必要性、上映時間あるいはテレビアニメ化なら放送期間の問題、クリエイターのこだわり、時代に合わせたアレンジなど)、ジブリの魔女の宅急便も、やはり原作から変更している部分はいくつも存在しています。(参考:『魔女の宅急便』 本当は飛行船のクライマックスシーンは存在しないはずだった! 

そして、残念ながらキキとトンボの関係も原作通りではないようです。それは、書籍『ジ・アート・オブ 魔女の宅急便』の125ページに宮崎監督の言葉として載っています。以下、そのページの抜粋です。

2023-04-20

1989年9月号のアニメージュ表紙のキキは「3年後のキキ」ではありません。


先日、とある方からメッセージを頂きました。それによると、アニメージュの1989年9月号の表紙を飾ったキキに関するデマが酷い、とのこと。で、そのデマというのは、アニメージュの表紙に描かれたキキが「『魔女の宅急便』より3年後のキキ」だとしてネットに出回っている、というお話でした。

それではまず、以下に1989年9月号のアニメージュの表紙をご紹介します。(私の所有している1989年9月号は状態が良くないため、某オークションにあった画像をいただきました)こちらを手掛けたのは近藤勝也さんだそうです。


そして「3年後のキキ」でネット検索してみたところ…なるほど、これは確かにひどい状態です。

ですので、今回は即否定します。上記の表紙は3年後のキキを描いたものではありません。答えはまさにこのアニメージュ1989年9月号に載っております。以下、その当該ページです。キキとウルスラの声を担当した高山みなみさんのインタビューの箇所に答えはあります。

2023-04-05

雲研究者・荒木健太郎さんによる『天空の城ラピュタ』に登場する「竜の巣」についての科学的考察を、さらに噛み砕いて説明してみた!


『天空の城ラピュタ』に登場する、ラピュタをその身に隠した巨大な雲の塊「竜の巣」。


作中では、とても危険で広大な空間として表現され、パズー&シータとドーラ一家のラピュタ到着を大きく阻む障害として描かれています。

そして、パズーにとっては非常に意味を持つ幻影を見るシーンでもあります。


竜の巣は具体的にはどういう構造で成り立っているのか、(もちろん)作中では深く語られませんし、その点を理解していなくても作品は十分に楽しめます。ですが、作中の台詞からは、ラピュタ人が自らの住処を隠すために高度な科学力で生み出した産物であると解釈できるようになっています。

では、あれは高度な科学力による架空の気象現象であって、現実には存在し得ないのか、といえば、そうでもないようです。竜の巣は現実にも存在できるようなものなのか?その問いに対して、科学的見地から考察を試みた方がいます。雲研究家の荒木健太郎さんです。以下、荒木さんのツイートです。


ツイートをブログに貼り付ける形式ではやや小さくて見えないかと思いますので、荒木さんがツイートした画像をここに転載させていただきます。(クリックorタップで拡大できます)


2023-03-22

書籍『宮崎駿とジブリ美術館』には天空の城ラピュタのドーラの若い頃(新作)が描かれている!


スタジオジブリが好きな方なら知っているであろう書籍『宮崎駿とジブリ美術館』。


ジブリ美術館開館から20年の間に宮崎監督によって描かれた膨大な数のイメージをカラーイラストで掲載した書籍であり、収録されている絵はなんと900点以上!他にも、美術館開館当初からのスタッフが語る知られざる宮崎駿監督のエピソードや、宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサーによる本書のための新規インタビューなど、盛りだくさんの凄い本となっております。

この本は、『美術館をつくる』と『企画展示をつくる』の2冊に分かれており、『美術館をつくる』には、ジブリ美術館の内装、映画館、常設展示、カフェなどがどのように考えられ、作られたのかが数多くのイメージボードとスケッチとともに描かれています。一方、『企画展示をつくる』には、宮崎監督が深く関わった13の企画展の実現にむけての舞台裏が、膨大な絵とメモによって紹介されています。

今回は、その『企画展示をつくる』に収録されている『天空の城ラピュタ』ファン大歓喜のとある絵をご紹介します。

まず『企画展示をつくる』は、2002年10月から2004年5月まで行われていた『天空の城ラピュタと空想科学の機械達展』のために宮崎監督によって描かれた絵と文章が紹介されています。

例えば、ジブリ美術館やジブリパークで限定上映されている短編映画『空想の空飛ぶ機械達』のために再び描き起こされたタイガーモスの内部図解など、ファン垂涎のものが掲載されているのです。

こうして見ると、本当にギューギュー詰めであることがよく分かります(笑)

次に、この企画展のために考えられた「悪漢たちの基地」が掲載されています。



これらの絵と設定は『天空の城ラピュタと空想科学の機械達展』のためだけに書かれたものであり、この企画展に行かない限り見られなかったものです。ああもったいない!!!ああ映像化して欲しい!!!

ところで、この「悪漢たちの基地」のひとつ「動く海賊島アマゾネス号」は、左上に描かれている女性がキャプテンだそうです。赤ちゃんを抱えているので、母をやりながら海賊のキャプテンをやっている模様。元気ですねえ。


ちゃんと名前も与えられています。ドーラさんだそうです。


…ん?ドーラ?海賊のドーラ…?まさか…。

2023-02-22

驚くほど充実したボリューム!『思い出のマーニー』に関する米林監督の質疑応答ツイートまとめ


今回は、日本テレビ系列で『思い出のマーニー』が放送された際にツイッターで行われた、米林監督への質問とその回答をご紹介します。ごく一部のツイートを除いてほぼ全部を載せておりますが、非常に充実した内容となっていますので、ジブリ版マーニーに関する理解がかなり深まると思います。




2022-08-12

映画版では描かれてない描写や心情が分かる!小説版天空の城ラピュタ


ご存じの方も多いかと思いますが、『天空の城ラピュタ』には小説版が存在します。


基本的には映画版とほぼ同じ展開を文字にしたものですが、映画版では描かれなかった(描けなかった)作品の時代背景、特に登場人物の心境や思惑が分かるようになっており、その点で必読の内容となっております。

例えば以下のような点が(個人的)見どころです。

2022-05-06

「ポニョは大きくなったら男の子になるかも」海洋生物学者によるポニョとフジモトへの真面目な考察が面白い!


今回は、書籍『ジブリの教科書15 崖の上のポニョ』に収録されている、海洋生物学者の窪寺恒己さんによるポニョとフジモトへの考察が面白いものになっているため、一部を抜粋してご紹介します。

まず、フジモトとは一体どんな人物なのか、作中では書かれていない裏設定と合わせておさらいしておきます。


以下は同書の「ポニョを読み解く8つの鍵」に書かれているものです。

 フジモトはポニョの父親であり、グランマンマーレの夫である“もと人間”です。しかし、彼がどこから来てどういう経緯でグランマンマーレと結ばれたのかは、映画の中では明らかにされてません。海の水から生命の力を集めて海の時代を取り戻そうと、日夜研究に励んでいる存在です。
 宮崎監督によると、彼はもとネモ船長(ジュール・ヴェルヌの『海底二万マイル』に登場するノーチラス号の船長)の船に乗っていた唯一のアジア人の少年だったとか。

なんとフジモト、あの古典的SF作品の関係者でした!もしかしたら、ネモ船長と一緒に数々の大冒険をしていた可能性がありますので、かなり人生経験は豊富なのかもしれません。

2022-04-29

『魔女の宅急便』がちょっと違った視点で見れる豆知識 ~魔女はなぜ箒で空を飛ぶのか?その“大人”な理由~


ジブリ版『魔女の宅急便』に登場する主人公のキキ。


明るく素直で純真な存在と言えます。…が、多くの方は知っての通り、「魔女」と言う存在自体は一般的に「悪いもの」として捉えられている存在です。であるからして、実は『魔女の宅急便』で使用されている要素にも、必然的に「決して良い意味を持っていないもの」あるいは「一般的にいかがわしい、公の場では表明しにくいもの」が使用されています。そして今回ご紹介したいのは、その魔女の非常に“大人”な側面なのです。

以下、書籍『ジブリの教科書5 魔女の宅急便』に収録されている正木晃さんによるコラム「魔女の東西」より、魔女がなぜ箒に乗っているのか?より引用します。

 魔女が空を飛ぶ件に関しては、別の疑問もある。それは、キキをはじめ、ヨーロッパの魔女は、なぜ、箒みたいな棒状の物体にまたがって空を飛んでいたのか、という疑問だ。アジアの魔女は超能力を使って、なにもまたがらず、自分の身体だけで飛んでいたようなので、この点は問題にならない。
 ここで、箒と断定せず、わざわざ「棒状の物体」と、もったいぶって表現しているのには、ちゃんとわけがある。この点は、キキがなににまたがって空を飛んでいたかを思い出せば、納得していただけるはずだ。
 もちろん、普段のキキは箒にまたがって空を飛んでいる。しかし、最後のほうのシーンでは、絶体絶命の危機に陥ったトンボを助けるために、清掃業?のおじさんから借りたデッキブラシにまたがって空を富んだ。つまり、魔女が空を飛ぶのに、箒は必須ではない。棒状の物体なら、なんでも良いのである。

確かに物語の終盤、キキは箒ではなくデッキブラシにまたがり空を飛びます。


魔女が空を飛ぶのには「棒状の物体ならば何でも良い」、一体どういうことでしょうか?もしかしたら、この時点で勘の鋭い方は何となく気づいたかもしれません。以下、こう続きます。

2022-03-11

不正確な考察・裏話は「迷惑」、エヴァンゲリオンとスタジオジブリのツイッター公式アカウントが「とある方」に向けて不快感を表明


小ネタですが、スタジオジブリに関連する非常に興味深いツイートがありましたので、ご紹介いたします。


2022-02-05

鈴木プロデューサーの語る宮崎駿監督が復帰した理由「〇〇されたから」が衝撃&悲しい…。


スタジオジブリの代表取締役でありプロデューサーの鈴木敏夫さんは、「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」というラジオ番組を持っており、そこでメイン・パーソナリティを務められています。


この番組は、ジブリ作品や宮崎・高畑両監督の裏話が聴けることも多いため、そういった話を求める人にとっては非常に重要な(そして面白い)番組なのですが、とりわけ1月30日の回で話された「宮崎駿監督が復帰された理由」が衝撃かつ何だか悲しいものであったため、今回はその部分を書き起こしてご紹介します。

以下、その座談会の書き起こしです。

2022-01-20

押井守監督、高橋留美子先生が『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を気に入ってない事を知っていた&ジブリ版『魔女の宅急便』を原作者の角野栄子さんは嫌っているのか?


今回は、まあそりゃそうだよねといえばそんな感じですが、一応本人からの発言が確認できたのでここに記しておきたかったという話と、「本当にそうなのか?」という話の2つをお届けします。


高橋留美子先生の代表作のひとつである『うる星やつら』、この作品がアニメ化され、さらにそのアニメシリーズを映画化したものが数作ありますが、中でも特に異質を放っているのが2作目の『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』です。


監督はご存知、押井守さん。今作も例にもれず押井らしさ全開の奇妙で幻惑的な作風になっており、非常に評価が高い作品です。私も大傑作だと思います。

しかしこの作品は『うる星やつら』としては異質すぎるため、嫌うファンもいるそうです。またネットでよく言われているエピソードとして、他ならぬ高橋留美子先生がこの作品を見て「これは”押井さん”のうる星やつらです」と、暗に自分のうる星やつらとしては認めたくないという趣旨の発言をされたという話が伝わっています。(どうやらよくある与太話ではないようです)

そしてこの高橋先生の言葉、押井監督にも伝わっていました。以下、(当ブログ的ではもはや教科書扱いしている)書籍『誰も語らなかったジブリを語ろう』より、押井監督が『魔女の宅急便』のことを語っている部分からの抜粋です。