以前、当ブログでは、宮崎駿監督の手塚治虫先生への思いを紹介させていただきました。
そこには、尊敬と影響を認めつつも、アニメに対してやったことは許せないという思いが書かれていました。しかし、これは宮崎駿監督の言い分であり、手塚治虫先生には手塚治虫先生の事情があった可能性が十分にありました。そんな手塚先生側の事情がある限り、それを当ブログとしてご紹介しないのはフェアではないのでは、という思いもありました。
そんな中、現代ビジネスに投稿されたとある記事が、まさにこの宮崎監督の批判について「間違っている」とする反論を載せていおりましたため、今回は、そちらをご紹介してみたいと思います。
その記事は、
「アニメ業界の低賃金は手塚治虫のせいなのか? 見えてきた意外な真実」
(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75170?imp=0)という記事で、中川右介さんという方が執筆したものです。
以下、一部抜粋して引用していきます。
宮崎のこのインタビューで問題にすべきは、以下の発言だ。
虫プロのいくつかの作品や手塚の発言を批判した後、宮崎はこう説明する。
〈昭和38年に彼は、一本50万円という安価で日本初のアニメ『鉄腕アトム』を始めました。その前例のおかげで、以来アニメの製作費が常に低いという弊害が生まれました。
それ自体は不幸なはじまりではあったけれど、日本が経済成長を遂げていく過程でテレビアニメーションはいつか始まる運命にあったと思います。引き金を引いたのが、たまたま手塚さんだっただけで。〉
この発言は、最初からすべて間違っている。
だが、それなりに発信力のある宮崎の、没後直後の批判という非礼に満ちた発言は、以後の手塚アニメ批判の土台となった。
手塚治虫先生の死後に書かれた宮崎監督のこの言葉は、ネットでも非常に有名になった言葉です。おそらく、この言葉が非常に影響力を持ったというのは間違いではないでしょう。私も最初にこの言葉を目にした時には、「これは本当の話なのだろう」と思っておりました。
それでは、「最初から間違っている」というのは、具体的にはどの部分が間違っているのでしょう?記事はこう続きます。