2013-12-27

『風の谷のナウシカ』豆知識:映画版の巨神兵は当初クロトワが○○する予定だった!


ジブリの絵コンテから分かること。今回は『風の谷のナウシカ』、やや番外編です。

ジブリの絵コンテ全集には毎回(?)別冊の小冊子が付いています。その冊子には、何人かの方がそれぞれ違う視点から、文章を寄稿されているのですが、その中の、アニメーション研究家のおかだえみこさんによる作品論に、驚くべき話が載っていました。

以下、引用
映画化のための初期シノプシスの中で興味深いのは、《王蟲》撃退と反逆の目的で参謀クロトワが《巨神兵》に<乗り込み>、かつ<操縦>して最期をとげる点である。とすれば《巨神兵》は<搭乗型有機体巨大ロボット>で、まさに「新世紀エヴァンゲリオン」タイプ!


巨神兵に乗り込んで操縦!


つまり、この人が

コレ↓に乗る可能性があった、と。
…乗れるのか?

とはいえ、さすがにコミック後期デザインの巨神兵にはならなかったでしょうけど。そして、これとほぼ同じ話と思われるものが 【スタジオジブリ作品関連資料集〈1〉 (ジブリTHE ARTシリーズ) 】に収録されている『後半シノップスの最終バージョン』に書かれておりましたので、以下、そちらも引用します。

※展開は、ナウシカがトルメキアのコマンド兵に襲われたペジテのブリッグから離れ、王蟲に襲われんとする風の谷へ向かうところです。
○包囲された酸の湖の人々、ガンシップがもどるのを待つ。本国から大軍が来る、今のうちに降伏せよ というクシャナ。クロトワ、エッとなる。私の直属の第三軍がな……というクシャナ。
○クロトワ 巨神兵の格納庫にもどる。まだ早すぎるという部下の言葉にかまわずのりこむクロトワ。
(中略)
○ミトのガンシップ、トルメキア軍と谷の人々との間に降りる
○ミト ナウシカの心をクシャナに伝える。おしよせてくる王蟲、地平線に現れる。全員、船へ!!(たった一隻残ったバカガラスへ) とたん、バカガラスが爆発して消えてしまう。谷の中から現れた巨神兵。クロトワである。クシャナ負傷する クロトワのおしゃべり うらみつらみや野心から、俺様がトルメキア王国もきりしたがえてやるんだとか まず蟲共を片づけてやるとか その間にもクロトワのまわりで蛋白質が溶け始めている
○迫まる王蟲へ(原文ママ)、ゆっくり進んでいく巨神兵。クシャナ、兵達 酸の湖の船へ逃げ出す。クロトワ 熱戦を発射する とける王蟲 とける巨神兵 呆然と見守る人々やトルメキアの敗残兵の眼前で王蟲の波の中に巨神兵たおれていく 廃船のまわりは王蟲でうめつくされる。 クロトワの最期 もうだめだ……

この展開も見てみたかった!






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