『天空の城ラピュタ』における、ラピュタ城自体のモデルはどこなのか?
スタジオジブリは公式サイトにて「作品の舞台」は一部公開しているのですが【参照:作品の舞台はどこですか?】、そこにラピュタ城のモデルの記載はありません。おそらく、様々な要素が部分的に取り入れられている、というのが正解なのだと思います。しかし、資料を調べてみると、意外と判明するモデルもあるのです。
『ロマンアルバム』から分かるモデル
例えば、ラピュタの資料集である書籍『ジブリ・ロマンアルバム 天空の城ラピュタ』を見てみます。ここにはラピュタのイメージボードが載っているのですが、その左上の部分に“ある消された記述”があります。
その部分を拡大してみると…聖都「パベル」シュミと書いてあるのが分かりますでしょうか?(横のラプュタも気になりますが…)
これは明らかにブリューゲルの『バベルの塔』を指していると思われます。
見比べてみると、なんとなく似ていると思いませんか?
つまり、ラピュタの造形はブリューゲルの『バベルの塔』が大いに参考にされていることが分かるのです。
それともうひとつ、「シュミ」の部分ですが、こちらはおそらく古代インド発祥の、世界の中心にそびえるとされる山『須弥山(しゅみせん)』ではないかと思われますが、いかがでしょうか?
『絵コンテ集』から分かるモデル
次に、書籍『スタジオジブリ絵コンテ全集2 天空の城ラピュタ』を見てみましょう。パズーとシータがとうとうラピュタにたどり着くことができたシーンでの、宮崎監督によるラピュタの説明を見ると…
「まるで、天空のアンコールワットのよう」と書かれているのが分かります。
つまりカンボジアのアンコールワットです。
いかがでしょう?なんとなく彷彿とするものがあるのではないでしょうか?
少なくとも私が見つけられたのは以上です。ですが、他にもまだまだあるかもしれません。このように、憶測で語らずとも資料を丹念にあたれば意外な発見があるものです。皆さんも是非、資料集を読んでみてはいかがでしょうか?何より読み物として普通に面白いですので。
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