2016-10-27

『借りぐらしのアリエッティ』 よく見るとアリエッティの大きさは変わっている!


書籍『ロマンアルバム 借りぐらしのアリエッティ』に収録されている作画監督の賀川愛さんと山下明彦さんへのインタビューにて、気になる文章がありました。

以下、その文章です。
山下 翔と一緒のシーンでは、対比としてアリエッティはすご小さくならざるを得ない。それがやっかいで。身長は十センチ程度という設定があるんですけど……。

賀川 花畑のアリエッティはもっと大きく描かれていますよね。そうじゃないと背景の花に負けちゃうから。

山下 そう。ネコのニーヤとの対比もシーンによっては全然違うかも。そもそも猫のニーヤと翔の対比も怪しい。結局、対比なんてものはシーンによってまちまちなんです。特に翔とのからみだと手のひらに乗った時と襟元に乗ったときに同じ対比になっているかどうか、と意識して描いたことがあまりないです。設定的な厳密さよりも絵の納まりのお良さや面白さを大事にして画面を作っています。

あまり意識していませんでしたが、アリエッティはシーンによって大きさが変わっている!?というわけで、色々な対比シーンを検証してみます。


まずは翔の肩に乗ったシーン。これを基準にして…

同じシチュエーション。
特に大きさが変わっているようには見えません。

手のひらに乗ったシーン。こちらも特に違和感はないですね。

顔と指のアップ。大きさに矛盾はないように見えます。

「意識していない」と書かれていましたが、
それでもプロの勘で統一は自然となされているのかもしれません。
次はニーヤと一緒のシーン。これを基準に…

インタビュー内で指摘されていた花畑のシーンがこちら。…ん?

これは…?アリエッティとニーヤの顔の大きさでは、
かがんでいる分を考慮すると、アリエッティのほうが少し大きい?

しかし、このシーンでのアリエッティは、高低差を考慮しても、
ニーヤの顔より大きいようには見えません。

こちらも同様。アリエッティの方が大きいようには思えません。

確かに大きさは異なっているシーンはあるようです。しかし、気になるほどではないような、微々たる差だった、というのが当ブログの結論です。






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