「ため息が出るほど美しい」という言葉は、この方の作品のためにあるのだと思えるほどに、綺麗で、上質で、ファンタジックな世界、井上直久さんの『イバラード』。
イバラードへ
多層海、麗しき宵
世界は私の標本箱
旅の惑星
海の回廊
多層都市(21世紀版)
ガーデニングスター
竜と見た塔
タイトル不明
ローズクリスタルの丘
花香る夕べ
天文館の宵
西のターミナル
虹化石の店
ウチナダII
高架駅
星見坂II
スリードーターズの店
ゾウのいる宵店
小さなものの光る宵
星を集めた日
星を売る店(絵本『星をかった日』扉絵)
星待つ宵
タイトル不明
なつかしいあかり
好きすぎて紹介しすぎた感がありますが(笑)これでもまだごく一部の作品です。選び方も恣意的なもので、おそらくその時の気分によって紹介したい絵は変わるほど、甲乙つけがたい幻想世界の絵ばかり。他の絵画や作品集は、公式サイト(http://artgallery.co.jp/iblard/)からも見ることが出来ます。是非どうぞ。
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宮崎駿監督が好きになるのも頷ける画集です。
ファンタジーの世界は、“ここじゃないどこか”じゃなくて、“今ここ”にある
井上さんがイバラードの世界について語った、興味深い記事【詳しくはこちら】がありましたので、以下、引用します。
井上「おとぎ話には、ありえない世界の内側に入って活躍する話とありえない世界が外側にある話があるんです。『指輪物語』は前者でいきなり“中つ国”に入ってますが、『はてしない物語』は後者で“ファンタージエン国”がどんなところかわからずじまい。その中間にあるのが『ナルニア国ものがたり』で、ドアを通して行ったり来たりしてる。でも僕は、ファンタジーの世界は、“ここじゃないどこか”じゃなくて、“今ここ”にあると思ってるんですよ。今僕がいるこの世界がアナザーランドだと。」
――現実の中に異世界がある。
井上「あるんです。そこらじゅうにあるんです。見慣れたものでも、まったく地球の文明と接点のない人に説明しようと考えると違って見えるんですよ。例えば電車を「地球でとれる鉱石の中から、薄く伸ばせるものを探し出して、薄く伸ばし、中空の器をつくって、しかも薄く伸ばせる素材は細くして、巻いて、中を磁石通すと、目に見えない力が働いて、その動力でケースを動かすことができるようになるので、それを摩擦を最低限にすることができる2本の伸ばした物質の上に置いて、そして動かす、大勢の人が乗って走るものだ」と表現すると、すごく幻想的になるんです。ほかのものもみんな見方を変えれば、すごく不思議なものに見える。それがわかれば、生きてることが面白くて仕方なくなるんですね。」
――現実の中に異世界がある。
井上「あるんです。そこらじゅうにあるんです。見慣れたものでも、まったく地球の文明と接点のない人に説明しようと考えると違って見えるんですよ。例えば電車を「地球でとれる鉱石の中から、薄く伸ばせるものを探し出して、薄く伸ばし、中空の器をつくって、しかも薄く伸ばせる素材は細くして、巻いて、中を磁石通すと、目に見えない力が働いて、その動力でケースを動かすことができるようになるので、それを摩擦を最低限にすることができる2本の伸ばした物質の上に置いて、そして動かす、大勢の人が乗って走るものだ」と表現すると、すごく幻想的になるんです。ほかのものもみんな見方を変えれば、すごく不思議なものに見える。それがわかれば、生きてることが面白くて仕方なくなるんですね。」
井上「宮沢賢治が岩手県を「ここはイーハトーブだ」と言った瞬間にイーハトーブになる。ぞくぞくしますよね。同じものでも、そういう名前で呼ぶと違う場所に見える。じゃあ僕が住んでいる茨木市の場合はどうなるのかと思って、“イバラード”という言葉で呼んでみたんです。そうしたら、全然今までと違って見えた。」
【耳をすませばと井上さんの関係はこちら】
『耳をすませば』に影響を与えた画家、井上直久さんと美しい『イバラード』の世界
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