今回は、美しさ、可愛らしさ、禍々しさ、そして悲しさが同居する緻密な描写の短編アニメーションを2つご紹介します。
まずは『空想少女』という作品。図鑑を見ていた少女は、頭の上に妄想をどんどん広げていく…という物語です。この緻密で怪しい美しさは必見です。
…果たして少女は何者だったのか?本の中の存在だったのか?それとも、本の一部となってしまったのか?それとも妄想なのか…いろいろな解釈ができそうな作品ですね。
次は、「第13回文化庁メディア芸術祭 審査委員会推薦作品」にもなった優秀な作品です。タイトルは『ひとりだけの部屋』。そこがいつなのか、どこなのかわからない一つの部屋、鳥の頭を持った少年は、この部屋から出られない。いつしか彼は友人が欲しくなり…という物語です。
美しさと悲しさを持った作品ですね。この流れは、いつか断ち切れる日が来るのでしょうか?それとも…。
これらの作者はクリエイターとして活動されている花蟲(はなむし)さん。多くの受賞経験を持っている有名な方です。公式サイトには他のアニメーション作品やイラスト、ゲームなどが掲載されており、非常に楽しい場所なので、この世界観に惹かれた方は訪れてみてはいかがでしょうか?
【公式サイト:http://hanamushi.jp/】
花蟲劇場 [DVD] | |
花蟲 Amazonで詳しく見る |
【こちらも併せてどうぞ】
大正ロマンとSFの融合した世界観が創りだす幻想活劇アニメ『端ノ向フ』
“闇の千と千尋の神隠し”のような自主制作アニメーション『百足商店街』
“僕らは生まれつき身体のない子どもたち” たまの『電車かもしれない』に映像を付けた白昼夢のようなアニメーション