2015/04/20

『千と千尋の神隠し』 リンの正体は白狐なのか?


今回は『千と千尋の神隠し』に関する“ある設定”の話です。さっそくですが、この画像をご覧ください。

こちらは『千と千尋の神隠し』に登場するリン、千尋、湯女たちが描かれているイメージボードです。(書籍『The art of spirited away 千と千尋の神隠し』収録)注目していただきたいのは赤線で囲っている部分、リンの名前の横にあるカッコの中に(白狐)と書かれています。

宮崎駿監督の描いたイメージボードのリンの説明書きに(白狐)と書いてある。ということは、リンの正体は白狐なのでしょうか?今回の問題はここなのです。実は、これをもってしてリン=白狐と断定するのは難しいと私は思っています。

なぜか?当ブログでは何度も触れている話題ですが、イメージボードとは、あくまで初期の構想段階で描かれた未完成の設定案であり、完成した映画にそのまま引き継がれている公式設定ではないからです。これは『千と千尋の神隠し』に限った話でも、カオナシは当初このような姿だったり、坊と銭婆はこのような姿だったりすることからも分かります。映画版、つまり完成版ではイメージボードの頃の設定は変更または破棄されている可能性が大いに有り得るのです。


さらに、作画監督を務めた安藤雅司さんはリンの設定に関してこう言っています。
「リンは、イタチかテンが変ったキャラクターにしようという話が最初の頃にありまして、眼とか口が大きくて、顔の輪郭からはみ出るぐらいだったんですけど、最終的には普通のちょっと背の高い女の子になりましたね。」

白狐ではなく「イタチかテン」と言っているところが気になるポイントです。イメージボードの記述と食い違っています。さらに「最初の頃にありまして~最終的には普通のちょっと背の高い女の子になりましたね」という記述からは、当初はイタチかテンが変じたキャラクターという設定だったが、その設定は破棄された、というようにも取れます。

次に、設定資料集として信頼できるロマンアルバムでのリンの設定を見てみます。すると、「年は14才くらい」などとは書かれているものの、彼女の『正体』に関しては何も明言されていないのです。(湯女や神々については書かれているのですが…)

つまり、「リンの正体は白狐なのか?」という疑問に関しては、「イメージボードに書いてあるのだからそうである」と断定するのは根拠が薄く、映画版ではこの設定が破棄された可能性も十分にありえるのです。


リンは何者なのか?それは、明確な公式設定と判断できる記述がない以上、各々が自由に想像して良いのではないでしょうか?白狐かもしれないし、そうでないかもしれない。あるいは、カオナシや釜爺のように「何だか分からない、この世のものではない何者か」と考えるに留めてもいいのかもしれません。(リンの正体は白狐だと明確に判断できる根拠をご存じの方、メッセージを頂けると幸いです。)

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