2015-10-09

「舞台は瀬戸内」宮崎駿、『思い出のマーニー』にやっぱり口を出していた&無視されていた!


長編作品からの引退を宣言した宮崎監督、もとい、宮崎駿さん。当然『思い出のマーニー』には関わっていません。
と、思われていましたが……まず、鈴木敏夫プロデューサーはこう言っています。

「実は毎日、ジブリに出社しています。本人は『口も出さない、手も出さない』と言うが、やっぱり手を出してくるし、足も出してくる(笑)。でも宮さんが口を出すのは、いつも男女の物語なんです。でも『思い出のマーニー』は女の子同士のお話で、手の出しようがない。そのあたりは計算通りでしたね」と話していた。
http://www.asahi.com/and_M/interest/entertainment/Cpia201407080010.html より

いまだ“手も出してくれば足も出す”状態のようです、宮崎さん。ファンにとっては一安心な話ですね。マンガ『鉄炮侍』も中断しながら執筆中(?)でいらっしゃるようですし。

しかし、上記の記事通りであれば、やっぱり『思い出のマーニー』には手を出していないのでは?と思えます。実際の所どうだったのでしょうか?マーニーで監督を務めた米林宏昌さんのへのインタビューによると、こうあります。

(インタビュアー)―種田さんとは北海道に一緒に行かれたりもしたそうですが。
 そう。もうバタバタで決めたんですが、2012年の8月の終わりに行っていますね。種田さん(※美術監督の種田陽平さんのこと)とお会いしはじめころは、まだ北海道を舞台にするかどうか決めきれなくて。北海道がいいね、という話は出ていたんですが、どうしようという状態だったんですね。ちょうどその頃、宮崎さんからお話をいただく機会があって。宮崎さんが言うんですよ。「瀬戸内がいいんじゃないか?」って。

―それは、北海道とは全然違いますね。

 宮崎さん自身も『マーニー』は昔からすごく思い入れのある作品ですから、イメージがすごくあるんですよね。我々が打ち合わせしている場に来て、ホワイトボードにいろいろ書きながら瀬戸内がいい、ということをとうとうと語るんです(笑)。結構具体的なところまで。それで、「じゃあ俺は戻るから」って出ていかれて。

―そして?(笑)

 瀬戸内にするんですか?という流れになるじゃないですか(笑)。でもそこは、なんかやっぱり北海道だったんですよね。とにかくあの、釧路の湿原を見にいこうということになって。ジブリで今まで、北海道が舞台の作品は作っていなかったし。どうせ新しいものを作るんだったら、新しいことにチャレンジしたかったんですよね。それに、僕にとってのマーニーって、金髪でちょっと神秘性をもった感じで登場させたかったというのもあったので。瀬戸内の暖かい気候の所じゃなくて、北海道のひんやりとした空気感の方が合ってるんじゃないかなって思ったんですね。
書籍『思い出のマーニー ビジュアルガイド』より

マーニーと北海道の空気感

というわけで、やっぱり(ある意味)関わっていました(笑)そう簡単に創作活動をスパっと止められるものではないのでしょうね。さらに別の記事ではこうあります。

すでに舞台は北海道と決めていた。皆で話し合った結果、「このまま北海道で行こうよ」と宮崎監督の意図を“無視”する形を選択して製作を続行した。米林監督は「なので、宮崎さんの言うことを聞かずにつくりました」と笑いながら明かした。
http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2014/07/15/1p_0007147325.shtml

無視!(笑)でも、新しい風を吹き込むためには、これくらいの方が良かったのだと思います。制作部門が解体されてしまったスタジオジブリ。次の長編作品はいつ観られるのでしょうか…?


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