2015-10-09

『思い出のマーニー』脚本家が語る裏設定!


今回は、『思い出のマーニー』の脚本を担当した丹羽圭子さんが書籍『思い出のマーニー ビジュアルガイド』に語った、映画で描かれていない設定をご紹介します。

(インタビュアー)―鈴木さんからの要望はありましたか?

舞台を日本にすること。時代を携帯やネットがまだ普及していないくらいの現代近くにすること、の2つです。観客との距離が離れないように舞台は日本に。そして湿原が舞台なので北海道がいいのでは、とのことでした。現代にすると携帯やネットが入って、いろいろなことが変わってしまうので……ちょっと前、というように。ただし、マーニーは外国人、ということで。

―具体的に作業はどのように進んだのですか?

まずマーニーの家族の歴史を考えました。舞台を日本にした場合、全く有り得ない話ではいけないので、釧路の歴史を調べて、マーニーの家族とどう当てはめるのか……。釧路には欧米から貿易船が来ていたので、マーニーのお父さんは米国商社に勤めていて貿易船で来たときにパーティーで日本人のお母さんと知り合って……結婚し、妻子は湿地屋敷に住まわせるが、年に2回ほどしか日本に来られない……など、一応自分が納得する設定を決めました。(後略)

作品を見ていて、気づかれた方もいると思います。そう、『思い出のマーニー』には携帯もネットもほぼ登場しません。そういえば、杏奈は手紙を書いていましたね。ということは、舞台は「携帯やネットがまだ普及していないくらいの現代」なのでしょうか?

※訂正・補足情報

携帯やネットがない時代が舞台なのか?と思いきや、コメントでご指摘いただきましたので、訂正してお詫びいたします。序盤、杏奈の友人がお見舞いに訪ねてくるシーンで…
間違いなくスマホを持っていますね。つまり、やはり舞台は現代のようです。

これに関しまして、丹羽圭子さんがロマンアルバムでこのように仰っていましたので追記しておきます。
ーー杏奈が生きている時代は、我々と同じ現代と考えていいのでしょうか?

丹羽 最初は今よりもちょっと前というように考えていました。携帯電話やパソコンが出てくると、いろいろ面倒になるので。できあがったものを見たら札幌のシーンで杏奈の友達が携帯を持っていたので、ぼかしてはいますが現代になってますね。

当初は携帯もパソコンもない時代を舞台にしたかったのは間違いないようですね。実際、作中には携帯やパソコンはこのシーン以外ほとんど出てきませんので、ニュアンスとしてはこの設定は活かされているようです。

そしてマーニーのお父さん、年に2回しか日本には来ない…マーニーはとても寂しかったでしょうね。


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