『借りぐらしのアリエッティ』の主要人物のひとり、翔。ジブリの男子キャラの中では珍しいタイプの、病弱な美少年です。
彼の声や仕草からは、妙に生々しい、艶めかしさを感じませんか?実は絵コンテを見ると、彼の美少年っぷりは明確に指示されているものだというのが分かります。今回は、そちらをご紹介すると同時に…
この翔の声を演じていたのは、俳優の神木隆之介さんですが、
実は、声だけでなく、翔の動きにも神木さん自身の仕草が影響を与えていました。今回は、アリエッティの絵コンテ集と米林監督へのインタビューから、この2つについてご紹介します。
まずは翔が「美少年」と指示されている事について。以下、書籍『ロマンアルバム 借りぐらしのアリエッティ』より米林監督へのインタビューから引用です。
ーー絵コンテを拝見すると、アリエッティ以上に、翔を色っぽく、という指示が目立ちました。
「翔に関してはある種の生々しさが必要だと判断しました。小人たちの動きをアニメーション的に描くのなら、それに対して人間たちはリアリズムを持った動きで差をつけたほうが効果的だろうと。翔は病弱で家族関係が複雑。神経質で繊細な美少年ですから、リアルに描く上である種の色気は絶対に必要でした。
「翔に関してはある種の生々しさが必要だと判断しました。小人たちの動きをアニメーション的に描くのなら、それに対して人間たちはリアリズムを持った動きで差をつけたほうが効果的だろうと。翔は病弱で家族関係が複雑。神経質で繊細な美少年ですから、リアルに描く上である種の色気は絶対に必要でした。
というわけで、絵コンテを確認してみますと…
赤丸部分「美少年!」という注釈が。さらに…
こちらのシーンでは「妙に色気のあるCutに」という指示が。
このように翔は、明確に「色気のある」「美少年」として描かれていることが分かります。
次は神木隆之介さんがモデルになった、という件。こちらも米林監督へのインタビューから。
ーー神木(隆之介)さんは、翔のモデルにもなったということですが?
「それは実際に作画作業が始まってからのことですね。賀川さん(※作画監督の賀川愛さんのこと)がキャラを描く上で、誰かを観察して描きたいと。たまたまあるドラマで神木くんが病弱な少年の役をやっていまして、ベッドに横たわったり起き上がったりするシーンがあるので、それをプリントアウトして作画の参考にしていたんです。そこから、会社に神木くんの写真集やカレンダーを買ってもらって、壁に貼るようになっていきました(笑)」
「それは実際に作画作業が始まってからのことですね。賀川さん(※作画監督の賀川愛さんのこと)がキャラを描く上で、誰かを観察して描きたいと。たまたまあるドラマで神木くんが病弱な少年の役をやっていまして、ベッドに横たわったり起き上がったりするシーンがあるので、それをプリントアウトして作画の参考にしていたんです。そこから、会社に神木くんの写真集やカレンダーを買ってもらって、壁に貼るようになっていきました(笑)」
ということはつまり、翔の美少年っぷりや色気のある仕草は神木隆之介さんの影響も受けているということでしょうか!?というわけで、神木隆之介さんのファンの方は、翔の動きや仕草に気を使って見てみると、そこに神木隆之介さんを感じることができるかもしれません。そういう意味では、この作品は神木ファン垂涎モノなのではないでしょうか…?
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