2014/07/24

『千と千尋の神隠し』 千尋は最後にすべてを忘れてしまったのか?


『千と千尋の神隠し』のラストシーン、千尋は抜けてきたトンネルを無言で見つめ続けますが、両親に呼ばれるとやがてその場を離れ、遠ざかる車とともに物語は終わっていきます。
千尋は最後にすべてを忘れてしまったのか?

気になるのはその前の展開。ハクと別れてからトンネルに入った千尋は、今までの出来事を忘れてしまったかのように、怯えて母親にすがりつくという、最初と同じような行動を取っています。

もしや千尋はトンネルの向こう側で起こったことを忘れてしまったのでしょうか?書籍【千と千尋の神隠し―Spirited away (ロマンアルバム)によると、宮崎監督はこう言っています。


(インタビュアー)―― 成長物語ではないということですが、千尋はあの異世界に行く前と、ラストで現実の世界に戻った後で、何か変化はあったのでしょうか。

宮崎「さあ、わかりません。ただ僕は、あの世界は全部夢だったというふうにしたくなかったんです。だからラストで現実の世界に戻ってきたら車の上に葉っぱが積もっていたり、千尋は気づいていないかもしれないけど、おばあちゃん(銭婆)がくれた髪留めは残しておこうと思ったんです。あれは本当にあったことなんだ。そうじゃないと寂しいですものね。この物語は、何か思いのほか切ない話です。特に終わり方が。そう思いませんか?せっかく自分を認めてくれた人たちと出会えたのに、千尋はその場所を離れなければならないわけですから。(後略)」

―― ということは千尋はあの世界での出来事を覚えていないということですか?

宮崎「自分のやってきたことを全部覚えている人っていると思いますか?いないでしょ。でも銭婆の『一度あったことは忘れないもんさ』という言葉通り、人間の記憶って、思い出せないだけでどこかに残っているものだと思うんです。」

この言葉には非常に難しいニュアンスがこもっています。千尋は「大部分は普通に覚えている」とも取れるし、「(不思議な力によって)ほとんどのことは記憶の底に沈みつつある」とも取れます。あえて監督は明言を避けているようです。

しかしこの発言とラストの描写を合わせてみるに、千尋はトンネルを抜けた時点で、不思議の町での、湯屋での出来事を“ある程度”忘れているようです。ラストシーンの千尋は何を覚えていて、何が既に「思い出せないだけでどこかに残っているもの」なのでしょうね。

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