2015/02/13

『崖の上のポニョ』 津波の後の町は“死後の世界”ではありません。


一度この話はポニョと宗介はどうなるのか?『崖の上のポニョ』には続編の構想があった!でも触れているのですが、再度整理してご紹介したいと思います。

『崖の上のポニョ』は、物語の後半、津波が訪れて町が水没します。しかし、町が水没したにも関わらず、皆どこか楽しそうです。このような状況のためか、「町が水没したことで実はみんな死んでいて、あれは死後の世界を描いているのでは?」という噂が存在しています。

いわく、トンネル後が怪しい、ここから先が死後の世界であるとか…

おばあちゃんたちが元気になっている、これは死後の世界だから、などなど…

結論から言うと、死後の世界ではありません。
それは宮崎監督の言葉から見て取れます。

ポニョの津波は町と心をキレイにする魔法


まずはこちらの動画。宮崎監督がカリフォルニア大学バークレー校で講演をした時のものです。 ポニョに関して触れている重要な発言は、14分頃からと、1時間23分頃からです。



以下、その部分を書き起こしてみます。

宮崎「ポニョの映画の中では、津波が破壊的には働かないで、町をきれいにして人の心まで綺麗にするという、不思議な魔法になってます。それはもう、本当にあるかないかではなくて、私の願いそのもの、なんですが。」

そう、あれは「魔法」なのです。津波の後なのに、皆が悲観することなく明るく元気になっているのは、魔法だからなのです。そして映画の後の展開について、こう言っています。

宮崎「あの映画が終わったあと、スタッフは『宗介はこれから大変だ』っていう人間が多いんですが、僕は『宗介は大丈夫だ』と一人で言い張ってます。」

つまりこれからも宗介たちの人生は続いていく=死後の世界説は否定されたという事になります。そしてもうひとつ重要なことは、冒頭でもご紹介した通り、ポニョには続編の構想がありました。子どものために作った作品の続編が死後の世界からって、ありえないですよね。

今、悲劇を作る理由が自分たちにない


次は『「CUT No.234」宮崎駿4万字インタビュー』に収録されている、宮崎監督のポニョに対する部分からです。

「ヌケヌケとした結末を作ってみようっていう。今、悲劇を作る理由が自分たちにないと思って。だって目の前にいるチビたちを見てね、これを祝福せざるを得ないじゃないかっていう。祝福されているかどうかわかりませんよ? でも祝福せざるを得ないっていう。そういう映画を作るんだと。」

「死は匂うけど、そういうものの中に同時に自分たちが描きたいキラキラしたものもあるから。あんまり生と死っていう言葉を使いたくないですよね。」

「やっぱりアニメーションの王道っていうのは、子どもたちが観て楽しかったと言ってくれることだと。全部、筋がわからなくていいんだっていうことは、いつも思っています。」

そう、ポニョと宗介が津波で沈んだ町へ繰り出す時、二人はとても楽しそうです。キラキラとした希望に満ち溢れています。そこに悲劇は見えません。

ポニョは子どもたちのために作られた、明るく楽しい作品です。穿った見方にモヤモヤしてしまった方、ご安心ください。

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