2016/10/01

『となりのトトロ』には幻のオープニング&エンディングがあった!


皆さん知っての通り、『となりのトトロ』のエンディングは以下のようになっております。

ネコバスに乗って、無事に七国山病院についた二人は、病室の中で元気そうにしているお母さんとお父さんを見て安心する。そして…

お父さん「どうしたの?」
お母さん「今、そこの松の木で、サツキとメイが笑ったように見えたの。」
お父さん「…案外そうかもしれないよ。ほら。」


これがトトロのエンディングでした。しかし、当初の案ではこのエンディングと、さらにオープニングも少し異なっていたようです。一体どんなオープニングとエンディングだったのか?今回はそちらをご紹介します。

以下、書籍『The art of Totoro』より宮崎監督の言葉の引用です。
「冒頭は、その1か所だけ木におおわれた家が街の中にあって、その屋敷のまわりの風景が変わりはじめる。まわりから家が消えていき、畑があらわれマンションの立つ高台は林に変わり、そこの木がまた小さくなったり、自動車の走っている道がいつの間にか野の道になってね、まわりの住宅が消えて田んぼが現れ、歩道になってしまったところに水路があらわれ、で、その間にも屋敷の木はどんどん小さくなって、そこにサツキたちが住んでいる家がポコッとあらわれる。そこにトコトコトコとオート三輪が来るという話を書いたんです。それで始まって、終わったときにまたもとの世界に戻り、その話をオバアさんから聞いていた子どもたちが、『じゃあ、オバアちゃん、そのトトロっていうのはもういないの?』と聞くと、オバアさんは『さあ、どうかね』と答える。すると、ネオンが見える街の中の森の上で、トトロが可憐にもホー、ホーと鳴いている。それは騒音で聞こえないにしても、トトロがオカリナを吹いている風景で終わらそうと思ったんです」

また書籍『宮崎駿全書』にはこうあります。
現代の街中に一箇所だけ木に覆われている屋敷があり、おばあさんが独りで住んでいる。おばあさんは縁側で子供たちに庭の大樹の話をしている。街や木が少しづつ昔に戻ってトトロの物語が始まる。最後にまた現代に戻り、子供たちが「トトロはもういないの?」とおばあさんに聞く。おばあさんが「さあ、どうかね」と答えると、ホーホーというトトロのオカリナが痛ましくもかすかに聞こえてくる。
 これが絵本の原初案から出発した最初の構成案であった。当初案では主人公は姉妹ではなくメイ一人だったため、その成長した姿も一人のおばあさんとされていた。

そしてこちらが『The art of Totoro』に掲載されていたイメージ図です。

この構成ですと、物語は現代から過去を振り返る形で語られ、描写と絵から判断するに、トトロの森は既に都市化で無くなってしまい、あとは屋敷にある樹々を残すのみ、ということがわかります。なんだか寂しい限りですね。この様子だとまっくろくろすけなどももう居ないでしょう…。しかしそれでも、トトロのオカリナがホーホーと聞こえるラストには、わずかな希望を願わずにはいられないようになっています。「トトロの住処をこれ以上破壊してはいけない」と。

そして物語を語るおばあさん、これは当初の案からすればメイなのでしょうが、子供は二人、サツキとメイに変更になった設定で、もしこのエンディング案が実現していたのならば、このおばあさんはサツキとメイの成長した「二人のおばあさん」に変更されていたのでしょうか?

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