『となりのトトロ』、一見完璧な構成にも見えるこの作品ですが、やはりというべきか、宮崎監督の中で入れたかったが入れられなかった場面が存在していたようです。今回は、そちらをご紹介します。
以下、書籍『ジブリの森とポニョの海』より、ロバート・ホワイティングさんとの対談からの引用です。
宮崎「たとえば、『となりのトトロ』で入れられなかったシーンがあります。ラストの、メイを捜すサツキが困っているシーンで、トトロが千里眼でメイの居場所を見せるシーンを入れたかったんです。トトロが、自分の目の間にサツキを置くと、ギュンと一気に遠くの風景が見えるんです。サツキの視野がトトロの視野に乗って一気に広がって、メイを見つけるというシーンを入れたかったんです。でも、どういうふうにやったらいいのかわからない。たぶんCGを使えるようになっていたら、違ったんでしょうけど。やりたくて、やりたくて、やりたいんだけど、どうしても方法が見つからなくて、時間切れでやめたんです。それは『トトロ』の制作が終わってからも、ずうっと考えていますね。」
ちなみにサツキが困っているシーンというのはこちら。
当時の技術では映像として実現できなかった以上、実現していたらどんな映像になっていたのかは分かりません。しかし、この監督の言葉から何となく想像することはできます。トトロにCGが導入されていたらどうなっていたのでしょうね?
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