『ハウルの動く城』といえば、ジブリ作品の中でも人気上位に入る作品ですよね。
でも実は、宮崎監督、2013年の引退会見ではこのように仰っているのです。
一番自分の中にトゲのように残っているのは『ハウルの動く城』です。ゲームの世界なんです。でもそれをゲームではなくドラマにしようとした結果、本当に格闘しました。スタートが間違っていたんだと思うんですが(笑)。自分が立てた企画だから仕方ありません。
これは引退会見のときだけではなく、ポニョのときのインタビューでも以下のように仰っています。
『ハウルの動く城』の時には、ものすごく考えたんです。でも原作者のダイアナ・ ウィン・ジョーンズさんの罠にかかって出口がなかった(笑)。結局あれは、原作者が作ったルールの中で成り立つ世界なんです。それはゲームですから。そのルールを語らないで映画の中で生きた人間を描こうとするのは、とてもしんどかった。あんなに頭を使ったことはないですね。
ポニョのモデル地となった鞆の浦への旅行は、ハウルのあとに疲労困憊した宮崎監督のために行われたものだったそうなので、監督、本当にしんどかったのでしょう。
引用文中の「ゲームの世界」というのが難しいところです。テレビゲームのような世界だということなのでしょうか?それとも、広く「遊戯」という意味でのゲームなのでしょうか?「原作者が作ったルールの中で成り立つ世界」というのがキーポイントになりそうです。それを映画で表現するには時間が足りなすぎたのでしょうか?
ハウルは正直なところ「後半が迷走している」と言われることもある作品です。あるいは、この「しんどかった」という心情が、そのまま作品にも現れているのかもしれませんね。
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