『崖の上のポニョ』、好きですか?
ポニョは、正直言いましてジブリ作品の中ではどのくらいの人気なのか、私はよくわかりません。が、そんなポニョには続編の予定があったようです。
以下、書籍『ジブリの教科書18 風立ちぬ』の鈴木敏夫プロデューサーへのインタビューより、ポニョの続編についての顛末をご紹介します。
宮崎駿が立てた三年計画に従って、『借りぐらしのアリエッティ』と『コクリコ坂から』を作り、新人アニメーターも育成しました。そして、いよいよ宮さん自身が長編の制作に乗りだすわけですが、問題となったのは企画でした。じつは、もともと本人がやりたかったのは『風立ちぬ』ではなく、『崖の上のポニョ』の続編だったんです。『ポニョ』が公開された直後、宮さんには待望の初孫ができました。その子を喜ばせるものを作りたいという気分もあったのかもしれません。ただ、ジブリはこれまで続編は作らないという方針でやってきたわけで、僕としてはその点が引っかかりました。もうひとつ気になったのは、『ポニョ』の続編が幼児を喜ばせる作品になるんだろうか? ということです。
そういったもろもろのことを考えると、僕としては続編の企画にはいまひとつ乗り気になれなかった。そこで、逆提案した企画が『風立ちぬ』だったんです。
というのも、『ポニョ』自体、必ずしも小さな子どものための作品になっていなかった部分がありました。上映中の映画館の様子を聞くと、ポニョが波に乗って登場するシーンで、泣きだす子がけっこういたというんです。やっぱりあのシーンにはある種の狂気がある。大人が見るとおもしろいんだけれど、幼児が見ると怖いんですね。
(中略)
意外なことに(?)小さなお子さんはポニョが波に乗って登場するシーンが怖いそうです。
私はポニョはてっきり子供向けだとばかり思っていましたが、こうなると話は変わってきます。つまりポニョは大人向け/子供向けという枠ではこの映画は捉えられない、と言えるでしょうか。大人/子供ではなく、この映画を受け入れられるか、受け入れられないか、という枠で捉えるのが良いのでしょう。さて、ここで問題ですが、果たしてそのような映画は、一体どれくらいの人気を獲得できるのか?そして、人気の疑わしい作品は、続編を作るべきなのか?そう考えてみると、鈴木プロデューサーの判断は正しかったのかもしれませんね。
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