ジブリの絵コンテから分かること。『となりのトトロ』第5弾。
物語の終盤、母親の身に何かあったのでは?と思わせる、七国山病院からの電報。この一通をきっかけに、大きなトラブルが起こってしまいますが、この電報、本編と絵コンテでは少しだけ、面白い違いがありました。
まずは本編にチラッと現れる電報。
読み取れるのは
「十九 シチコクヤマ マツゴ ウツカモリヨコ
クサカベ タツオ 殿 レンラク コウ』 シチコク」
の文字。
「シチコクヤマ」は、言わずもがな七国山病院のある地名のこと。「マツゴ ウ」は、作中のセリフから察するに、草壁一家の住んでいる松郷。「ツカモリヨコ」は、トトロの住むあの大きなクスの木がある森が塚森で、その「ヨコ」なので、つまり「塚森の横」、松郷よりさらに具体的な草壁家の住所(?)のようです。
そして「クサカベ タツオ」、これはお父さんの名前。「レンラク コウ」は七国山病院からの「連絡を請う」というメッセージ。以上が本編の電報から読み取れることです。
一方、絵コンテの電報はというと…
読み取れるのは
「十九 モリシタ マツゴウ トコロザワ
クサカベ テツオ 殿 レンラクコウ』 シチコク」
の文字。
『となりのトトロ』の本編では、具体的な作品の舞台がどこなのかはあえて明示されておらず、むしろ「具体的などこかではない」とされているはずですが、絵コンテの段階ではハッキリと書かれていますね。仮舞台として想起しやすいように明記しておいたのか、それとも当初は明確に所沢を舞台にするつもりだったのか。
そして「クサカベ テツオ」という表記、お父さんの名前が違う!草壁“タツオ”が“テツオ”になってます。この微妙な変化は何があったのでしょうか?(笑)
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