今回は、鈴木敏夫プロデューサーがパーソナリティを務めているラジオ番組『ジブリ汗まみれ』2月9日放送回より、『天空の城ラピュタ』の制作秘話をご紹介します。
以下、一部を抜粋した書き起こしです。
鈴木敏夫「宮崎駿の作品ってね、主人公の見た目でストーリーが進んでいくんですよね。観客はね、宮崎駿の作った主人公が見たものによって観客もそれを構成していく。でね、客観的な描写って大嫌いな人なんですよ。それで、実を言うと、ラピュタの時に一番揉めたシーンがあるんですよ。というのは、シータとパズーが、初めてラピュタを、空に浮かぶラピュタを見るシーン、あそこでね、出てくるんですよ、全貌が…今の映画は。あれ最初はなかったんですよ。要するに、「ラピュタの全貌を見せたくない」つって。でこれはね、きっかけは高畑さんだったと思うんですけど、高畑さんと僕とで、宮さんをすごい説得しましたね。」
(中略)
「宮崎駿って人は絵から考える人なんですよ。言葉から考えない。そうするとね、最初にいっぱい空飛ぶ色んなものを描いたんですよね。それで、僕は当然、それ全部使おうと思ってたんです、映画の中に。それをね、一個一個外していくんですよね。ホントに使ったのはほんの一握り。そしたらね、宮さんに言われたんですよ、「映画作りってこういうもんなんだよ」って。それが、映画の冒頭に出てくる色んな空を飛ぶモノ。」
(中略)
「宮崎駿って人は絵から考える人なんですよ。言葉から考えない。そうするとね、最初にいっぱい空飛ぶ色んなものを描いたんですよね。それで、僕は当然、それ全部使おうと思ってたんです、映画の中に。それをね、一個一個外していくんですよね。ホントに使ったのはほんの一握り。そしたらね、宮さんに言われたんですよ、「映画作りってこういうもんなんだよ」って。それが、映画の冒頭に出てくる色んな空を飛ぶモノ。」
まずは書き起こしの前半部分、宮崎監督のこだわりが飛び出してきました。「ラピュタの全貌を描きたくない」ということは…
例えばこんなシーンがなかったということ!?
あくまで登場人物の視点で作品を描きたいが故、ラピュタの全貌という視点でさえ嫌うとは…んん~この徹底ぶりが傑作を生み出す秘密のひとつなのでしょうか?そして後半部分は“空飛ぶ色んなもの”について。「冒頭に出てくる空飛ぶ色んなモノ」とは以下のシーンを指しています。
このシーンは非常に短いながら、私は大好きです。しかしこれでも削った方とは…ああもったいない!宮崎監督が描いた“色んな空飛ぶモノ”とは他にどんなものだったのか…見たかった!
『ジブリ汗まみれ』はネットからバックナンバーを聴くことができます。他にも、ラピュタが作られることとなった意外なきっかけや、「バルス祭り」について、後半は『魔女の宅急便』の制作秘話や新作についても語られていますので、必聴です!【こちらからどうぞ】
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