スタジオジブリの代表取締役でありプロデューサーの鈴木敏夫さんは、「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」というラジオ番組を持っており、そこでメイン・パーソナリティを務められています。
この番組は、ジブリ作品や宮崎・高畑両監督の裏話が聴けることも多いため、そういった話を求める人にとっては非常に重要な（そして面白い）番組なのですが、とりわけ1月30日の回で話された「宮崎駿監督が復帰された理由」が衝撃かつ何だか悲しいものであったため、今回はその部分を書き起こしてご紹介します。
以下、その座談会の書き起こしです。
――宮崎さん結局、復帰されたじゃないですか。※
（※ブログ主注：話者がどなたか分かりませんでした。おそらくドワンゴの川上さんかも？）
鈴木 うん。
――一番おっきいポイントってなんだったんですか？
鈴木 自宅でおじゃま虫にされたのよ。
（一同笑）
――凄いスクープ出てきましたね（笑）。絞り出すような。
――ていうことは、よくある引退の時にね、宮崎さんは言ってなかったと思うんですけど、セリフに、「これから家族サービス、力を入れたい」ってことを宮崎さんも考えていて、それは、うまくいかなかったってね、それはいってなかったってこと（笑）
鈴木 だって自分の居場所がなかったんだもの。
――だって、あれだけ人を集めてですよ？もう金輪際（アニメは）作りませんと。散々今までこういうこと言ってきましたけど、今回は本当です、っていう世の中も巻き込んで、やった方が復帰の理由が家でおじゃま虫だってことですか（笑）
鈴木 だってさあ、そりゃあ困るよねえ。居たら。
（一同笑）
鈴木 そりゃあねえ、奥さんからしたら息子からしたら、ホント嫌だよねえ。
――引退した後なんかその、奥さんと旅行に行ったりそういうのはなかったんですか一切？
鈴木 今さら手遅れなんですよね。
（一同笑）
鈴木 たぶんね、それに近いこと考えてたと思うの。ところがね、受け付けられなくて、受け入れられなかったっていうのか（笑）
――実は奥様あの引退会見とかだいぶ冷めた目で見て…「あーやっちゃった」みたいな。「えー戻ってくんの！？」みたいな（笑）
鈴木 いやだからぁ…もうね？今回だってだいぶ前になるんですよ？気がついたら。『君たちはどう生きるか』をやろうと言う時、本人もしみじみ言ってたもん。「鈴木さんホントにさあホンットに、みっともないことなんだけど、復帰したい」って（笑）
――そういうの、人っぽくて良いですよね。
宮崎監督が復帰した理由は「自宅でおじゃま虫にされたから」でした（笑）。これはあながちただの冗談というわけでもなく、本当に理由のひとつとしてあるのだと思います。（そういう話って割とよくありますよね…悲しい（笑））
もちろん、「引退」とは言ってみたものの、やっぱりまた何かを作りたくなったというのが一番の理由なのだと思いますが、人が大きな決断をするときは、たいてい理由は複数あるものだと思いますので、やはりこれもまた事実のひとつなのでしょう。宮崎監督、ご自分でも言ってたように、即引退撤回したのはみっともないのかもしれませんが、我々としては大歓迎ですよね！
この回では他にも宮崎監督の引退発言を知った高畑監督の言葉など、面白い話がたくさんされていますので、興味のある方は是非聴いてみてください。（ジブリ汗まみれは毎週日曜23:00からTOKYO FMをはじめとするJFN38局で放送されていますが、放送を聴き逃してもradikoでも聴けますし、ジブリ汗まみれのホームページでも過去の回がポッドキャストとして残されていますので、この回はそちらでお聴きになってください。URL：https://www.tfm.co.jp/asemamire/）
