ご存じの方も多いかと思いますが、『天空の城ラピュタ』には小説版が存在します。
基本的には映画版とほぼ同じ展開を文字にしたものですが、映画版では描かれなかった(描けなかった)作品の時代背景、特に登場人物の心境や思惑が分かるようになっており、その点で必読の内容となっております。
例えば以下のような点が(個人的)見どころです。
・パズーがシータに出会うまでの状況が映画版よりも長く詳細に描かれている。具体的には、スラッグ渓谷の住人の様子、オープニングでシータが乗っていたドーラ一家に襲われた飛行船の他の乗客など。
・映画版とわずかに展開が異なる部分がある。具体的には、パズーが12、3才という年齢にしてはかなりの重労働をさせられている、親方が結構乱暴!など。
・パズーの父親は新飛行船建造のためのスポンサー探しの際に、不慮の事故で死んでしまったこと、物語の起こった季節は秋の終わり頃である、などのことが判明している。
そして、特に個人的に好きな描写は、パズーとシータがラピュタに到着した際の、ラピュタの描写に、次のような文章があることです。
「堀の日だまりでゴロゴロしているビーバーに似た赤い目の毛むくじゃらの小動物が、足音に、尻尾を立てて勢いよく水に飛び込んだ。」
…こ、これは…ミノノハシ!ミノノハシのことではないか!小説にもミノノハシが登場しているのです!
これの何が凄いの?という方は、こちらの記事も参考にしてみてください!【ジブリ作品の常連、17世紀に絶滅した生物『ミノノハシ』!? 】
そして、この小説版の一番おすすめポイントは、映画版のエンディングの後、半年後に何が起こっていたのか、後日談が少しだけ語られている点です!具体的に何が書かれているのかは、こちらをどうぞ!【小説版『天空の城ラピュタ』に書かれている、パズーとシータの“その後”】
……ただ一点、個人的には非常に残念な点が。ガッカリポイントなのでネタバレしてしまいますが、なんと小説版には、ムスカの名台詞「見ろ!人がゴミのようだ!」がないのです!ちなみに「目がああぁぁぁあ!目がああああァァああ!!!」もありません。う~~~ん残念!いや、それを抜きにしても読むべきですけれどもね!