2023-07-29

話題のアニメーション映画『オオカミの家』のレオン&コシーニャが制作した不気味で不安を掻き立てる短編アニメーション『ルシア/ルイス』


『ミッドサマー』の監督であるアリ・アスターが絶賛したという触れ込みのもと、予告編で既に不気味で異常な世界が話題となっている、クリストバル・レオンとホアキン・コシーニャによるストップモーション・アニメーション映画『オオカミの家』。



その予告編がこちら。

【公式サイトはこちら】


8月19日より順次全国公開される注目作ですが、今回は、この作品の監督であるレオン&コシーニャがナイルズ・アタラーと共に制作し、2007年と2008年に公開した短編アニメーション『ルシア/ルイス』をご紹介します。

2023-07-21

知っておけば宮崎アニメがよく理解できるようになる、『もののけ姫』のインタビューで語っていた宮崎監督の言葉


今回は、雑誌『別冊COMIC BOX vol.2 「もののけ姫」を読み解く』に収録されている、宮崎監督のインタビューから、現在の私たちにとっても非常に重要で、かつ宮崎監督の思想がよく分かる部分を抜粋してご紹介します。これらは『君たちはどう生きるか』やコミック版のナウシカとも通底している宮崎監督の考え方ですので、知っておくと「宮崎アニメ」をより理解しやすくなるものとなっています。









以下、『もののけ姫』について語りながら、宮崎監督の思想がよく分かる部分を抜粋していきます。

――別々の文化が並立して存在することや、別々の文化であっても共通性があるという認識がこの映画にあると思います。そういう映画をつくるにあたって、現代に向けてのメッセージは。

宮崎  全然ないです。
 メッセージで僕は映画を作りませんから。
 ただ、この映画が現代に共通する点があるとしたら、それは、自然と人間との関わり合いだと思います。
 僕らは、「自然に優しい」とか、「宇宙船地球号」などと一言も言った事はないんです。「自然に優しい映画を作るジブリ」というブランドがかってに横行するようになって、それが嫌なのですよ。
 そう誤解されても、しようがないと思わざるを得ないのですけれど、この十数年、とにかく色々と作品を作ってきて、この大きな転換点にきているのに、「自然に優しいジブリ」で終りたくなかったのです。
 だから、自然と人間との関わり合いをもっと突き詰めて追求して行く。すると、人間のやってきた事の業というか、文明の本質にある攻撃性とかが見えてくる。散々、相手を痛めつけて、おとなしくさせてしまってから、「周りに残った者に優しくしよう」と言っているに過ぎないんです。
 文明の本質みたいなことをちゃんと描かないで、「優しくする人、よい人」「優しくしない人、悪い人」という考え方で切り捨てていくのは、間違いだと思います。
 優しかろうが、優しくなかろうが、人間は自然に対して極めて狂暴に振る舞ってきたんです。
 それで、自分達が選ばれた者であるとか、この人類が一番高等な生き物であるとか言い出す。 ある時には、人類の中のある部分が一番高等だと順番をつけたがる。
 今また、「優しくする人、よい人」「優しくしない人、悪い人」という判断の単純化が進んでいる。そんなものではないんです。よいとか悪いとかでなくて。

 こういう人間の本質みたいなものを据えた、自然と人間との関わり合いを描く映画を作りたいと思っています。 それはメッセージというものでもなく、自分自身に回答が出ていないから、甚だ迷走しながら映画を作ったんです。
 この映画は、「悪い人間が森を焼き払うから正しい人がそれを止めた」という映画ではないのです。
 よい人間が森を焼き払う。それをどう受け止めるかなんです。

2023-07-17

ミッキーマウスより先に作られ、奪われ、やがて忘れ去られていった悲劇のキャラクター「オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット」


ディズニーキャラクターのオズワルド・ザ・ラッキー・ラビットをご存知でしょうか?


ディズニー好きの方なら彼をよく知っていると思いますが、そうでない方は、一見ミッキーによく似た謎のマイナーキャラクターだとしか思わないのではないでしょうか?実は彼は、ミッキーマウスより先にウォルト・ディズニーによって作られていたキャラクターでした。

以下が、ディズニー公式によるオズワルドの紹介動画です。


このように、ミッキーより先に作られていたのに一般的な知名度がはるかに劣るオズワルド。一体、なぜここまで知名度に差がついているのでしょうか?そこには、キャラクターの権利を巡る悲劇がありました。今回は、このオズワルド・ザ・ラッキー・ラビットが長い間忘れさられていた理由と経緯をご紹介します。

2023-07-15

宮崎駿、押井守、庵野秀明の3人が山小屋で「少女漫画の映画化」について語っていた!


今回は、書籍『ジブリの教科書17 コクリコ坂から』に収録されている、鈴木プロデューサーによる「汗まみれジブリ史 今だから語れる制作秘話! 社会全体が前向きだった時代を悪戦苦闘して描いた青春映画」より、豪華な会合をご紹介します。サラッと書いてありましたので、サラッとご紹介。

 遡ること二十年前。信州の山小屋で夏休みを過ごす際、宮さんは姪っ子が置いていった少女漫画雑誌を繰り返し読んでいました。その中で目にとまったのが『耳をすませば』と『コクリコ坂から』。遊びに来た押井守や庵野秀明らと、「どうやったら少女漫画を映画にできるか」を議論したりもしていました。

仲良し三人組、山小屋で少女漫画を語る!


この議論、聞きたい!議題となった作品は、やはり『耳をすませば』と『コクリコ坂から』なのでしょうか?どちらも宮崎監督は監督をすることはありませんでしたが、参加はしていますので、ここでの議論が作品に活きたのだとしたら、『耳をすませば』も『コクリコ坂から』もある意味非常に豪華なクリエイターたちが参加した作品ということになるのではないでしょうか?


ネタバレ全開で『君たちはどう生きるか』の解釈と感想を


タイトル通り、『君たちはどう生きるか』の解釈と感想を書きたいと思います。作品を観た方前提のネタバレ話です。