『ルパン三世 カリオストロの城』の悪役、カリオストロ伯爵。彼は実在の人物でした。今回は、実際のカリオストロ伯爵がどんな人物だったのかをご紹介します。
まずは実在のカリオストロ伯爵の肖像がこちら。
ルパンに登場するカリオストロ伯爵と、似てるような、似ていないような。四角い顔、垂れた目、長髪、という部分は共通しているでしょうか?次はカリオストロ伯爵がどんな人物だったのか?以下、書籍『宮崎駿全書』より引用です。
「カリオストロ」は一八世紀のイタリアに実在した人物である。正しくはカリオストロ・アレッサンドロ伯爵(1743~95年)といい、その生涯は謎に満ちている。
本名はジュゼッペ・バルサモで、カリオストロは遠縁の名家の名。バルサモは、シチリア島のリボン商人の家に育ったが、数々の問題行動で修道院を追放され、喧嘩・窃盗・贋作絵画・文書偽造などの犯行を繰り返し、ついにはニセ札作りに走り、消息不明となる。
本名はジュゼッペ・バルサモで、カリオストロは遠縁の名家の名。バルサモは、シチリア島のリボン商人の家に育ったが、数々の問題行動で修道院を追放され、喧嘩・窃盗・贋作絵画・文書偽造などの犯行を繰り返し、ついにはニセ札作りに走り、消息不明となる。
ここまでの経歴は非常に『カリオストロの城』のカリオストロ伯爵のイメージとも合致しているようなエピソードとなっています。ニセ札作りも作中で行っていますし、典型的な悪役の経歴と言った感じですね。
1771年頃から「カリオストロ伯爵」と名乗ってヨーロッパの各都市を訪れ、宮廷貴族の熱烈な支持を得た。「東方の王子の子孫」「宗教団体・フリーメーソンの大首長」などの肩書の下、怪しげな錬金・医療・降霊術などで「奇蹟」を演じ、高価な「不老長寿薬」「若返り美顔水」「原罪滅障の護符」などを販売した。オカルト的詐欺商法の草分けである。フリーメーソンのエジプト支部を創設したともいうが、未だに正式な幹部であったかどうかも不明で、無数の侯爵・伯爵などの偽名を使い分けていたらしい。
1785年、王妃マリー・アントワネットの友人と称した女の巨額詐欺、いわゆる「首飾り事件」に巻き込まれて逮捕・投獄され、二審で終身刑となり、95年に獄死を遂げている。
カリオストロはヨーロッパ史上屈指の怪人物、多くの支持者や信奉者がいた。同時代の文豪ゲーテは、わざわざカリオストロの生家を偽名で訪ね、自作『大コフタ』(1791年)に彼を模した人物を登場させている。
1785年、王妃マリー・アントワネットの友人と称した女の巨額詐欺、いわゆる「首飾り事件」に巻き込まれて逮捕・投獄され、二審で終身刑となり、95年に獄死を遂げている。
カリオストロはヨーロッパ史上屈指の怪人物、多くの支持者や信奉者がいた。同時代の文豪ゲーテは、わざわざカリオストロの生家を偽名で訪ね、自作『大コフタ』(1791年)に彼を模した人物を登場させている。
具体的なエピソードを見るに、狡猾な悪党というよりは姑息な詐欺師、と言ったほうがピッタリ来るような気がしますが、多くの支持者や信奉者がいたということは、やはりそれなりのカリスマ性を持った人物であったようです。(優秀な詐欺師は得てしてそういう素質を持っているそうですが)フリーメーソンとの繋がりを自称(?)していたことや、「首飾り事件」に巻き込まれて獄死を遂げるという最後も、いかにも「悪党」といった感じですね。
結論としては、実在のカリオストロ伯爵も「悪」としてはキャラが立っている面白い人物だった、と言った所でしょうか?もしかしたらこのエピソードのどれかは本当だったのかも…と考えると、夢が膨らみますね!
ちなみにアルセーヌ・ルパンの原作者であるモーリス・ルブランのルパン作品には、実際に『カリオストロ伯爵夫人』という作品があり、そこにはクラリスという名の美女も登場するそうです。ただし『カリオストロの城』の原作というわけではなく、共通点はさほどないそうです。
【こちらも併せてどうぞ】
影響力が強すぎた『カリオストロの城』のルパン像
山田康雄さんの態度を180度変えてみせた『カリオストロの城』
『ルパン三世 カリオストロの城』裏設定:カリオストロ公国とはどんな国なのか?