2016/10/13

山田康雄さんの態度を180度変えてみせた『カリオストロの城』


今となっては押しも押されもせぬ宮崎駿監督ですが、もちろん最初から「巨匠」であったわけではありません。まだ『ルパン三世 カリオストロの城』の頃は「誰?」という扱いだったようです。それは、他ならぬルパン三世の初代声優を務められた山田康雄さんも同じだったようです。今回は、そんな『カリオストロの城』のアフレコ時のエピソードをご紹介します。

以下、書籍『宮崎駿全書』より引用です。
 アフレコは宮崎・大塚の立ち会いのもと、東京・赤坂の東北新社で11月18、19、26日の3日間、計22時間にわたって行われた。当時としては異例の長時間収録であった。ルパン三世役の山田康雄、次元大介役の小林清志、石川五ェ門役の井上真樹夫、峰不二子役の増山江威子、銭形警部の納谷悟朗の5人は、テレビ第2シリーズからの常連組。
 大塚康生によれば、宮崎はラッシュ試写を前に山田康雄に「クリント・イーストウッドのような抑えた声を」と依頼した。イーストウッドは山田の持ち役の中でも、最も渋い演技の要求される名優であった。しかし。山田は「今さらごちゃごちゃ言われたくねーよ」と横柄な態度で退けた。それは、無名の新人監督の拙作を名優の技量で生かしてやるといった態度であった。

山田さんの態度は声優としてのプライドだったのでしょう。ルパンはルパン、イーストウッドはイーストウッドである、それを使い分けている自分の仕事に注文をつけるとは何事か、と。しかし、それを180度転換させた理由、それは、多くの人と同じ感想を持ったからでした。

ところが、山田は試写の後に態度を180度転換し、「どんなことでもおっしゃって下さい、何百回でもやり直します」と謝罪してアフレコに臨んだという。山田自身はこの試写の印象を次のように記している。
 「試写を見てオレはコーフンした。スピーディな展開、ちりばめられたギャグ、アニメとは思えぬカーチェイス、etc。(中略)これでもかと気をくばっている画面。これがオシャレの真ずいではないだろうか。そしてこれが「ルパン三世」という作品の真ずいではないだろうか。(宮崎サン、大塚サン、バンザイだ)」

山田さんも私たちと同じく、この作品に心酔してしまったのでした。

アニメとは思えぬカーチェイス

ちりばめられたギャグ

スピーディな展開

オシャレの真ずい
「奴はとんでもないものを盗んでいきました」

他ならぬルパンの声優が惚れ込んでしまった『カリオストロの城』、お墨付きを貰った、と言ったところでしょうか?

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