2016-10-16

『カリオストロの城』で一番の「悪」は、カリオストロ伯爵ではなく…絵コンテから分かること


『ルパン三世 カリオストロの城』、物語は後半に差し掛かったところ。カリオストロ城の地下に閉じ込められたルパンと銭形だったが、ニセ札造りが行われている場所を知りつつ、何とか地下を脱出。

そのままジャイロコプターで逃亡を図り、ついでにクラリスを連れていこうとしたが、ルパンはジョドーに狙撃されてしまう。

クラリスも助けもあり、ルパンと銭形の乗るジャイロコプターは爆発しながらもなんとかカリオストロ城からの脱出に成功。しかし重傷を負ったルパン。

一方、銭形はカリオストロ城でニセ札造りが行われていたことを各国のインターポール代表の前で告発するが、「インターポールの管轄ではない」「世論的に不利である」「後ろ暗い国の存在」などといった“政治的”な理由により、出動命令の申請は拒否され、銭形の解任が決定してしまう…。

銭形警部の真っ直ぐな正義感が潰されるこのシーン、さて、この場面を絵コンテで見てみましょう。


「この映画最高の悪党(“づら”と書いてある?)集まってる」

まるでこの映画で最も悪い奴らは彼らであると言っているような表現です。実際に、カリオストロ公国についての記事こちらをクリックからも分かる通り、カリオストロ公国に汚れ仕事を依頼する周辺諸国が存在するのも確かなのです。また、インターポールの会議での会話でも、ニセ札を依頼している国がおそらく複数あることが示されています。

彼らが銭形警部からの出動命令の申請を拒否したのも、ニセ札の存在が暴露されてしまえば、自国の立場が不利になるからもみ消したいというのが本音であり、それ以外の理由は建前なのでしょう。とするならば、彼らはインターポールであるからといって「善」なのか?

わざわざ「この映画最高の悪党づら」と表現した宮崎監督は、彼らこそ本当の「悪」だと言っているのではないでしょうか?





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