『猫の恩返し』は、ご存知の通り劇場用長編アニメですが、実は最初から長編アニメとして作られたわけではなかったようです。今回は、書籍『ロマンアルバム 猫の恩返し』収録の鈴木敏夫プロデューサーへのインタビューより、『猫の恩返し』の意外な企画の変遷をご紹介します。
以下、書籍『ロマンアルバム 猫の恩返し』より引用です。
ーー『猫の恩返し』は、かなり前からスタートしていた企画だというふうにうかがったんですが。
鈴木 正確には覚えてないんだけど、スタートしたのは3年前ぐらいだったと思います。(※当時は2002年)そもそもの発端は、某社から「テーマパークを作るので、そのイメージキャラクターを描いてくれ」と言われたんです。猫がいいということだったので、「ジブリアニメには猫が3匹ぐらいいますよ」と。その中の一匹だったムタを責任者の方が気に入ってくださって、「ついでに20分ぐらいのフィルムを作ってくれませんか」ということになった。これがスタートなんです。ムタを使うなら、当然、宮崎駿にも了解を取らなければいけないので話を持っていったら、彼のほうから「だったら(ストーリーは)柊さん作ってもらおうよ」と。その時、宮さんが出してきた案が“探偵もの”だったんです。「地球屋が探偵事務所で、そこに名探偵バロンがいる。そしてムタがいるというので、できないかなぁ」と。それで柊さんに発注したら、柊さんが猫の国の設定を作ってきたんです。
ーーでは、最初は20分のプロモーションフィルムの企画だったんですね。
鈴木 そう。でもテーマパークの企画自体が立ち消えになっちゃって、宮さんが「柊さんの原作を2話に分けて、シリーズものの第1話2話という考え方で作ってみない?」と言いだして……。てなことごちゃごちゃやっているうちに、映画になっちゃったんです(笑)。
鈴木 正確には覚えてないんだけど、スタートしたのは3年前ぐらいだったと思います。(※当時は2002年)そもそもの発端は、某社から「テーマパークを作るので、そのイメージキャラクターを描いてくれ」と言われたんです。猫がいいということだったので、「ジブリアニメには猫が3匹ぐらいいますよ」と。その中の一匹だったムタを責任者の方が気に入ってくださって、「ついでに20分ぐらいのフィルムを作ってくれませんか」ということになった。これがスタートなんです。ムタを使うなら、当然、宮崎駿にも了解を取らなければいけないので話を持っていったら、彼のほうから「だったら(ストーリーは)柊さん作ってもらおうよ」と。その時、宮さんが出してきた案が“探偵もの”だったんです。「地球屋が探偵事務所で、そこに名探偵バロンがいる。そしてムタがいるというので、できないかなぁ」と。それで柊さんに発注したら、柊さんが猫の国の設定を作ってきたんです。
ーーでは、最初は20分のプロモーションフィルムの企画だったんですね。
鈴木 そう。でもテーマパークの企画自体が立ち消えになっちゃって、宮さんが「柊さんの原作を2話に分けて、シリーズものの第1話2話という考え方で作ってみない?」と言いだして……。てなことごちゃごちゃやっているうちに、映画になっちゃったんです(笑)。
ジブリのアニメを使用しようとしていたテーマパーク…どんなテーマパークだったのでしょうか?少なくとも、「ジブリっぽくない」テーマパークではなかったはずです。あるいは、ジブリっぽさ溢れる、夢の「ジブリのテーマパーク」な雰囲気が実現していたのかも!?と考えると、企画が立ち消えになってしまったのはもったいなかった!
そして宮崎さんの口から出た「名探偵バロン」、これはこれでワクワクするフレーズです。名探偵バロンと助手のムタの物語…『猫の恩返し』とは別に作って欲しいテーマです!
バロンは言われてみれば探偵っぽい雰囲気もあります。
ムタは…まあ用心棒としては…
【こちらも併せてどうぞ】
『猫の恩返し』は『耳をすませば』の雫が書いた物語である!
『猫の恩返し』に出てくる大猫ムタの名前はあのプロレスラーから取られている!
『紅の豚』は飛行機の中だけで上映される予定だった!