2017/12/22

押井守の語る『ゲド戦記』映像化の裏側


今回は、押井守監督の聞いたジブリ版『ゲド戦記』映像化の裏側をご紹介します。

以下、書籍『誰も語らなかったジブリを語ろう』より引用です。
ーー『ゲド』が作られる過程に関してはいろんなウワサがありましたよね。宮崎さんは原作の大ファンで、原作者のル=グウィンに映像化の許可を貰いに行ったけど、まだ無名だったので断られた。その代わりに作ったのが『ナウシカ』だとか。

押井 それはもっともらしいけど、たぶん基本的にデマです。

ーーそうなんですか。じゃあその「長い歴史」を教えてください。

押井 僕が『ゲド』のアニメーション化について宮さんと話したのは、確か『ラピュタ』のあとくらい。さんざん話しまくった。で、二人の一致した結論が「これは映像化不可能」だったんだよ。第一巻の『影との戦い』とその「影」をどうやって映像化するのか?おそらく無理だろうってね。だから、製作のニュースを耳にして「いまさら」と思ったんだよ。
 で、僕が聞いた話は、「宮さんが吾朗君に監督を任せていいものか逡巡していたけど、吾朗君の作ったポスターの絵(主人公のアレンとドラゴンが向かい合っている図柄)を見て気が変わり、監督を任せる気持ちになった」。これもたぶんトシちゃん(※鈴木敏夫プロデューサーのこと)がでっちあげたガセ。
 でも、吾朗君が監督をすることになって、宮さんがル=グウィンに会いに行ったと言うのは本当らしい。
 「監督はあなたじゃないんですか?」と言われた宮さんは「息子がやります。でも、必ずあなたが気に入ってくれる作品にします。もし、そうならなかったら私が責任を取る」。するとル=グウィンが「そこまで言うのに、なぜあなたが監督をしないんだ」って。
 そんな会話がかわされたらしいとも言われているよね。最後のル=グウィンの質問に答えられないまま吾朗君が監督をしたわけだから、そのあたりからもう無理があった。

この証言により、ゲド戦記はかつて「さんざん話しまくった」「これは映像化不可能」と二人が結論づけた作品であるという作品だということがわかりました。しかし、結局は映像化されています。宮崎駿さんはなぜ息子の吾朗さんに任せようと思ったのかは謎のままです。長い年月が心変わりをさせたのでしょうか?(ちなみに、宮崎監督がゲド戦記の映像化を打診しに行ったことがあるというのは、ジブリのゲド戦記サイトにも書かれていることなので、どうも本当のようですが…)

吾朗さんが描いたポスターの絵を見て任せる気になったという話も押井監督は「トシちゃんがでっちあげたデマ」だと言っていますが、ちなみにその「ポスターの絵」というのは、以下のものだと思われます。

また「宮さんがル=グウィンに会いに行ったと言うのは本当らしい」という証言。この「らしい」というところが気になりますが、ネットでもよくささやかれている噂は本当だったようです。そして「なぜあなたが監督をしないんだ」というル=グウィンの言葉…多くの人が思ってることを原作者のル=グウィンも思っていたようです(笑)

ジブリ作品としてはかなり評判が悪い『ゲド戦記』。宮崎駿さんではなく吾朗さんであったことは正解だったのか、あなたはどう思われますか?

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