今回は、書籍『ジブリの教科書15 崖の上のポニョ』に収録されている、海洋生物学者の窪寺恒己さんによるポニョとフジモトへの考察が面白いものになっているため、一部を抜粋してご紹介します。
まず、フジモトとは一体どんな人物なのか、作中では書かれていない裏設定と合わせておさらいしておきます。
以下は同書の「ポニョを読み解く8つの鍵」に書かれているものです。
フジモトはポニョの父親であり、グランマンマーレの夫である“もと人間”です。しかし、彼がどこから来てどういう経緯でグランマンマーレと結ばれたのかは、映画の中では明らかにされてません。海の水から生命の力を集めて海の時代を取り戻そうと、日夜研究に励んでいる存在です。
宮崎監督によると、彼はもとネモ船長(ジュール・ヴェルヌの『海底二万マイル』に登場するノーチラス号の船長)の船に乗っていた唯一のアジア人の少年だったとか。
なんとフジモト、あの古典的SF作品の関係者でした!もしかしたら、ネモ船長と一緒に数々の大冒険をしていた可能性がありますので、かなり人生経験は豊富なのかもしれません。
(前省略)
特殊潜水艇を操る茶髪・長髪の奇妙な男はフジモトという名で、かつては人間でしたが、今は海の眷属として生きる魔法使い。ポニョの父ということになっていますが、生物的に無理があります。恐らく、フジモトの実体は分子生物学者で、遺伝子組み換えの手法を用いて、温暖な海の沿岸域に棲むキンギョハナダイあたりに人間の遺伝子の一部を組み込んで、突然変異を起こさせてポニョを造りだしたのでしょう。キンギョハナダイは生まれてきたときは全て雌ですが、成長するにともない雄に性転換しますので、ポニョも大きくなると男の子になってしまうかもしれません。
フジモトが遺伝子操作に堪能な分子生物学者とすると、辻褄がよく合います。様々な生き物の遺伝子を組み替えた溶液を別々の壺に貯蔵して、海中に撒くことによって絶滅した生き物や古生代の生き物を蘇らせ、海洋生物の多様性を守っているのでしょう。風変わりな見かけによらず、まともで善良な海洋生物学者なのかもしれません。
ポニョ、キンギョハナダイの可能性があるそうです!(笑)ちなみにキンギョハナダイは以下の様な魚だそうです。
ちなみにオスからメスに性転換する魚は他にもいくつかいるそうなので(有名なところではファインディング・ニモのカクレクマノミなど)、ポニョは他の魚である可能性もあります(笑)。
そしてポニョ、成長したら男の子になってしまう可能性があるとか!その時宗介との関係はどうなってしまうのか!?もしその頃に宗介とポニョが恋愛関係になっていたら…なんだかこれはこれで面白そうですが!(笑)
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