スタジオジブリが好きな方なら知っているであろう書籍『宮崎駿とジブリ美術館』。
ジブリ美術館開館から20年の間に宮崎監督によって描かれた膨大な数のイメージをカラーイラストで掲載した書籍であり、収録されている絵はなんと900点以上!他にも、美術館開館当初からのスタッフが語る知られざる宮崎駿監督のエピソードや、宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサーによる本書のための新規インタビューなど、盛りだくさんの凄い本となっております。
この本は、『美術館をつくる』と『企画展示をつくる』の2冊に分かれており、『美術館をつくる』には、ジブリ美術館の内装、映画館、常設展示、カフェなどがどのように考えられ、作られたのかが数多くのイメージボードとスケッチとともに描かれています。一方、『企画展示をつくる』には、宮崎監督が深く関わった13の企画展の実現にむけての舞台裏が、膨大な絵とメモによって紹介されています。
今回は、その『企画展示をつくる』に収録されている『天空の城ラピュタ』ファン大歓喜のとある絵をご紹介します。
まず『企画展示をつくる』は、2002年10月から2004年5月まで行われていた『天空の城ラピュタと空想科学の機械達展』のために宮崎監督によって描かれた絵と文章が紹介されています。
例えば、ジブリ美術館やジブリパークで限定上映されている短編映画『空想の空飛ぶ機械達』のために再び描き起こされたタイガーモスの内部図解など、ファン垂涎のものが掲載されているのです。
こうして見ると、本当にギューギュー詰めであることがよく分かります(笑)
次に、この企画展のために考えられた「悪漢たちの基地」が掲載されています。
ところで、この「悪漢たちの基地」のひとつ「動く海賊島アマゾネス号」は、左上に描かれている女性がキャプテンだそうです。赤ちゃんを抱えているので、母をやりながら海賊のキャプテンをやっている模様。元気ですねえ。
ちゃんと名前も与えられています。ドーラさんだそうです。
…ん?ドーラ?海賊のドーラ…?まさか…。
え!?
ラピュタのあのドーラの若い頃(新作)だった!
原画バージョンもありました。
ということは、この赤ちゃんは、シャルル、アンリ、ルイの誰かということになりませんか!?
どれだ…?
そして、ドーラは“空中海賊”になる前は、女性だけの海賊団を率いていたという裏設定がここで判明したことになります。妄想が膨らむ…!!!
さらにちょっと待ってください、このドーラ嬢、以前描かれたものより美しくなってませんか!?以下が、ラピュタの作中にあったドーラの若い頃の肖像画です。
原画はこんな感じ
確実にキレイになってる!
いやしかし、これがですよ。
後にこうなるわけです。…落差!
ともかく、まさか2002年の時点で宮崎監督から我々にご褒美が投下されていたとは、嬉しい驚きです!私はこの企画展を当時知らなかったため行きませんでしたので、本当に『宮崎駿とジブリ美術館』様様です!宮崎監督、ありがとうございます!そしてこういうのもっとください!
…といったわけですが、実はこの『宮崎駿とジブリ美術館』に収録されているサプライズはこれだけではありません。他にもナウシカの絵やネコバスの絵やカリオストロの裏話など、本当に情報盛りだくさんの凄い本ですので、お値段がちょっとお高いのですが…まだ読んでない方は絶対に読んでみてください!
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