2024-01-19

『君たちはどう生きるか』の絵コンテから分かる時代背景 ~ジブリの絵コンテから分かること~


ジブリの絵コンテから分かること。今回も『君たちはどう生きるか』の絵コンテ集から見ていきます。




作品では逐一説明されることはなかったのですが、絵コンテを読むと宮﨑監督が作中の時代、特に昭和19年の時代背景を序盤のシーンに反映させていたことが分かるのです。

まずは眞人が疎開先の駅についてすぐのシーン。改札にいる駅員は戦時のために若者がいないので、高齢の駅員が切符を切っている事が分かります。(画像赤丸部分)


次は夏子と出会った後のシーン。眞人と夏子は出征兵を見送る一団と出会いますが、昭和19年の時点ではもはやしょぼいものになっていることが説明されています。


そして応召された兵も40歳くらいの老兵であるとの書き込み。


そしてこの兵に対して夏子と眞人は頭を下げますが、この時の応召兵と在郷軍人会の男が返礼をしたのは、夏子が地元の有力者であることを知っていたからであると説明されています。


最後に、屋敷についてからのシーン。絵コンテでは描写は省略されていますが、屋敷の庭が荒れているのは男手が戦争に取られているために手入れができていないからであると説明されています。