2023-10-23

安心してください、『君たちはどう生きるか』は、宮﨑監督にも分からない作品です。


『君たちはどう生きるか』、無事にヒット作となりました。しかし、ジブリ作品としては難解な部類に入るため、「意味が分からない」という意見も多いようです。何らかの暗喩を読み取らなければいけない作品としては平易な部類に入るのですが、この手の作品に慣れていない方には「何が言いたいのか分からない」作品であるようです。

しかし、安心してください。履いてm この作品、作った宮崎監督も完全に理解しているわけではなかったようです。

以下、フル・フロンタルというウェブサイト(https://fullfrontal.moe)に掲載された井上俊之さんへのインタビューからの抜粋です。

2023-10-22

実現していたら印象が大きく違っていたかも?製作できなかった『天空の城ラピュタ』のラストシーン


今回は、書籍『スタジオジブリ物語』より、当初存在していた『天空の城ラピュタ』のラストシーンのアイデアをご紹介します。以下、その部分抜粋です。

物語のラストシーンでは、パズーが製作中だったオーニソプター(羽ばたき飛行機)を登場させるアイデアもあったが、オーニソプターを飛ばすとなると作画が難しくなるため、これは見送られた。そのかわり本編で活躍したのがフラップター。これは昆虫型羽ばたき飛行機で、英語のフラップ(羽ばたくという意味)をもとに宮﨑が命名したものだ。

このオーニソプターへの宮崎監督の愛は熱いもので、かつて販売されていた書籍『宮崎駿イメージボード集』では、このオーニソプターとフラップターへの思いを4ページに渡って描いておりました。

2023-10-21

『天空の城ラピュタ』には幻のエンディング、別のエンディングは存在しません。


今回は、タイトル通り『天空の城ラピュタ』には幻のエンディング、別のエンディングは存在しないという話です。こちらに関しましては、既に2002年にスタジオジブリから公式に否定する文章が出されているにも関わらず、いまだに質の低いネット記事が煽り立てているため、当ブログでも言及したいと思います。(実は過去に別のネタで一度言及しているのですが、改めてこの件を主題として書きたいと思います)

その文章は、スタジオジブリ公式サイト内の「いつものジブリ日誌(後にジブリ日誌に改題)」2002年12月13日分にて書かれております。以下、該当部分をそのまま抜粋します。

ちなみに一部で「天空の城ラピュタ」に別のエンディングがあるという噂が流れているようですが、そういうことは一切ありません。恐らく、アニメージュ文庫で出ている小説版に後日談がほんの少し書かれており、また、映画公開後に宮崎さんが描いたイラストには後日談を連想させる物があること(たとえば「スタジオジブリ作品関連資料集I」の65ページ掲載のイラスト。パズーがオーニソプターに乗ってシータを訪問する様が描かれています。ちなみにこの「作品関連資料集」シリーズも、マニアックな指向性のある方には大変面白い本です、とPR)などから膨らんだ想像が、いつのまにかそういう噂になったのでしょう。

2023-10-20

「日本のアニメーションは終わり」 宮崎駿がポニョの時に抱いていた日本アニメへの危機感は、今もなお続いているか?


今回は、書籍『ジブリの森とポニョの海』に収録されている、宮崎監督とドキュメンタリー作家のロバート・ホワイティング氏の対談から、宮崎監督が「日本のアニメーションは終わり」と語っている部分を抜粋してご紹介します。これは書籍のタイトル通り、『崖の上のポニョ』の頃に行われた対談ですが、なぜそのようなことを宮崎監督は言ったのか?そして、それは今も継続している危機なのか?お読みいただければと思います。

以下、その部分抜粋です。

2023-10-16

『カリオストロの城』の興行成績をいまだに引きずっている宮崎監督


今回は、雑誌『SWITCH Vol.41 No.9』(2023年9月号)より、宮崎監督が『ルパン三世 カリオストロの城』のときに受けた傷について、鈴木プロデューサーが語っている部分をご紹介します。

基本的にこの号のSWITCHは『君たちはどう生きるか』に関する対談やインタビューに大きくページ数が割かれており、作品を理解する上で非常に重要な一冊となっておりますが、他にもこの作品を通して色々なことが語られている雑誌となっております。(追記:このSWITCH9月号は10月号でも行われた対談などと合わせて一冊の書籍になりましたので、この投稿の最後にご紹介しております)

以下、その部分です。

鈴木 宮さんは理想を失わない現実主義者です。『ルパン三世 カリオストロの城』(一九七九年)は興行的には失敗で、数億円の赤字を出た。結局、その瞬間にみんな離れていった。宮さんはいまだにその時のことを引きずっています。その傷は大きいです。

―― 今ではテレビでも繰り返し放映され、ルパンシリーズの傑作とも言われている。大ヒ ット作のような印象があります。

鈴木 本人も残っているんです。自分の作った作品で映画館にお客さんが来なかったというのは忘れない。 巳年なので執念深い。もしかするとね、もしかするとですよ、次にやりたがるのはもうひとつの「カリオストロの城』なのかもしれません。