今回は、書籍『スタジオジブリ物語』より、当初存在していた『天空の城ラピュタ』のラストシーンのアイデアをご紹介します。以下、その部分抜粋です。
物語のラストシーンでは、パズーが製作中だったオーニソプター(羽ばたき飛行機)を登場させるアイデアもあったが、オーニソプターを飛ばすとなると作画が難しくなるため、これは見送られた。そのかわり本編で活躍したのがフラップター。これは昆虫型羽ばたき飛行機で、英語のフラップ(羽ばたくという意味)をもとに宮﨑が命名したものだ。
このオーニソプターへの宮崎監督の愛は熱いもので、かつて販売されていた書籍『宮崎駿イメージボード集』では、このオーニソプターとフラップターへの思いを4ページに渡って描いておりました。
特に最後のページ、「オーニソプターが登場する映画を作りたい」と語っている宮崎監督の言葉が実現しているのが良いですね!最後にはパズーとシータの原型と思われるイラストもあり、大変興味深いです。(このオーニソプターに関するイラストは書籍『宮崎駿とジブリ美術館』にも収録されておりますので、このイラストを手元に置きたい方は、ちょっと高いですが、そちらを入手してみるのも良いかもしれません)
ちなみにラピュタのアートやイメージボードなどを収録した書籍『The art of Laputa』によりますと、このエンディングをやめた理由として宮崎監督は以下のような点も挙げております。
このエンディングは実現しませんでしたが、宮崎監督は映画公開後に「オーニソプターに乗ったパズーがシータに会いに行く」イラストを描いており、こちらは書籍『スタジオジブリ作品関連資料Ⅰ』に収録されております。以下がそのイラストです。
また小説版ラピュタにはアニメ版の後の後日談が少し書かれており、そちらでもパズーがオーニソプターに乗ってシータに会いに行ことしていることが書かれております。ですので、このエンディングはある意味別の形で実現している、と言えるかもしれませんね。
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