2016/08/05

宮崎監督が語った『もののけ姫』サンとアシタカのその後


もののけ姫のラスト、「やはり人間を許せない。共には暮らせない。」と話すサン、「それでも良い、それぞれの場所で生きよう。会いに行く。」と応えるアシタカ。


そして物語は一匹のコダマを写し、幕を閉じます。…その後、サンとアシタカはどうなったのでしょう?気になった方も多いと思います。しかし、そこに明確な答えを求めてしまうのは「無粋」というもの、一人ひとりがその後を想像すること、それもまた作品の楽しみ方のはず…と、言いたいところですが、 宮崎監督、少しだけ答えています。今回は、そちらをご紹介します。

以下、書籍『「もののけ姫」はこうして生まれた。』からの引用です。
 もうひとつ、興味深い会話が交わされていた。久石さんから『もののけ姫』は、マンガ版の『ナウシカ』が通奏低音になっているという話が出た時である。宮崎さんムキになって否定する。「いや、違うものやってるんだという覚悟はもの凄くある。ナウシカで難しいこと散々言ったから、一切言ってないんです。あの主人公に、極力、立派なことを言わせなかった。ものの分かったことは何も言ってないんですよ。これで人間いいんだろうかとか、何でそんなバカなことやるんだとかね、そういうことすら言わないように。
 森を守ろう、と一言言った途端に、全部手垢にまみれてしまう。それは分かり切ったこと、そういうところに来ちゃった。そういうことで作ってるんじゃないんだと、自分でも心を引き締めないとですね、ナンカ偉いこと言った少年が見事に達成しました、みたいな話じゃ全然なくて、ようやくこれで生きることが出来る、 …これからね、タタラ場のこととサンの間に入って、切り刻まれながら生きるしかない。その女の子と自分の国に帰っても、何の解決も付かない。ここで生きていく、と決めると。タタラ場の方は、木を五百本切りたいとするでしょ、サンの方へ行って、ちょっと、五百本切りたいって言うと、ビビって、刺されて、じゃあ、二百五十本で」って(笑)。…生きるって、そういうことですよね。

『もののけ姫』という作品が終わっても、サンとアシタカとタタラ場の物語は続いていく、そして、それは決して楽な道ではないようです。もはや「森を守ろう」という段階は過ぎてしまった世界、そこでどう生きていくのか?共存していけるのか?サンとアシタカに課せられた課題はとても大きいものです。500本から250本に妥協、なんて話は、これだけ聞いているとなんだかほっこりもしてしまいますが(笑)

ちなみに、ラストシーン間際、二人の会話でサンはこう言います。「アシタカは好きだ。でも人間を許すことはできない。」宮崎監督はこのセリフについて、ロマンアルバムで「サンの最後の言葉は、答えが出せないままにアシタカに刺さったトゲなんです。そしてアシタカは、そのトゲとも一緒に生きていこうと思っている。」と語っていますが…

実はこのセリフ、アシタカのプロポーズへの返答だったのです。(赤丸部分)

つまり、このシーンの少し前の…
このシーン

…において、アシタカはプロポーズをしていたのです!一体どんな言葉をかけたのでしょうね!?まさか「私と結婚してくれ」だなんて言うとは思えないし、「実質プロポーズのような言葉」であると思われます。しかし、このシーンにセリフはありません。ですからアシタカが何を言ったのか?それは私たちで想像するしかないのです…。

「もののけ姫」はこうして生まれた。
「もののけ姫」はこうして生まれた。浦谷 年良,アニメージュ増刊編集部

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