2018/05/19

富野由悠季「高畑勲さんは僕にとっても師匠」「高畑さんの評価が置いてけぼりにされている」


今回は、ガンダムの生みの親である富野由悠季さん

そんな富野さんが高畑勲さんについて語っているインタビューをオリコンより一部抜粋してご紹介します。

以下、その部分です。
富野氏に、高畑さんの演出と他の演出家との違いを訊ねると、「こういう話をすると、ついパクさんって呼び方になっちゃうけど」と、パンをパクパク食べる姿からつけられた高畑さんの愛称を口にしながら、明確な答えをくれた。

「対象への理解が正確でなければならない、ということを追求してきた監督が高畑勲です」

 「名作劇場シリーズの打ち合わせで、一人のキャラが400字詰めの原稿用紙2枚分喋るシーンがありました。ロボットものならワンカット5秒でも長いのに、何人かが焚き火しながら話しているだけのワンカットに1分以上もある。だから『このシナリオの通りで切っていいんですか? 長すぎるから整理したいんですけど』と高畑さんに聞くと、『駄目ですよ。だってシナリオはそう書いてあるから。もしかしてセリフわからない?』『いや、分かりますよ』『あなたがわかったなら、それでいいじゃない』と。理由を聞いても『子供は分かれば見る』としか説明してくれませんでした。そんなコンテは楽でいいですよ、でも子どもがこれを見てられるの? と疑問に思っていました」(富野氏)


 だが、それは言ってしまえば「子どもの理解力を舐めるなよ」という話でもある。それを高畑さんに教えられたと富野氏は振り返る。「つまり、1分耐えられるセリフやストーリーが作れるのか、それがアニメの勝負だと教えられたんです。それに気づいたのはその仕事の20年後ですが、逆にいうと、高畑勲という人はずっとその方法論でやってきた方なのです。そういった意味でも、僕は高畑さんの“影響下”で仕事をしていた」と、“高畑イズム”の影響を富野氏は語った。

(中略)

自身と高畑さんとの関係については、「そこまで深い付き合いではなかった」と話す富野氏だが、これまでの仕事を振り返った時に、その影響が間違いなくあったことを自覚するという。

「街の風景、街灯がそこに立っている意味、つまりは物事の形が持っている意味は、なんとなくではありません。“それを意識する・考える”ということを高畑さんに教えられました。何より、ガンダム以降、僕は作品作りにおいてハッキリとそういう気を付け方をするようになったんです。これは高畑さんの影響だと認めざるをえません」(富野氏)

 SFモノ、巨大ロボットものをやっている目線だけでは、アニメにおいて“文化論”を意識するところまでは絶対にいけなかったと富野氏はいう。「高畑さん、宮崎さん、鈴木さんには嫌がられるかもしれないけど、僕にとってもパクさんは『師匠』だったんです。でなければ、ただの宇宙モノ好きの僕が、ガンダム以降の作品を作れるはずがないよね」と高畑さんに対する想いを告白すると共に、「今回、これだけ明瞭な言葉を言えたのも、ここ1週間ずっと高畑さんのことを考えていたからです」と笑った。

 映画を作るには監督の作家性だけではなく、マンパワーの組み合わせが重要。それは宮崎駿にとってのスタジオ・ジブリであり、名プロデューサー・鈴木敏夫との関係がそれだ。一方で、その視点においては「高畑さんの評価が置いてけぼりにされている」と現状を嘆く富野氏。

 だが、これだけは間違いないと言える。それは、高畑さんが“宮崎駿”、“富野由悠季”両監督の作家性に多大な影響を与えた「師匠」であるということだ。この1点だけでも、高畑勲の才能と功績がいかに偉大なものであるかが分かるのではないだろうか。

ガンダムやイデオン、ダイターン3、ザンボット3、ダンバインなど無数の名作ロボットアニメを作り出している富野さんをして「師匠」と言わしめている高畑さん、それだけ多方面に影響を与えたということでしょう。富野さんのロボットアニメにはニュータイプ論を始めとするいまだ大人が語ることができる思想にあふれていますが、それも高畑さんの影響なのでしょうか?

「高畑さんの評価が置いてけぼりにされている」と仰っている高畑さん、亡くなられてしまいましたが、これから彼の仕事の偉大さがどんどん知られていくことになるのでしょうか?

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