今回は。ジブリ映画版『コクリコ坂から』の脚本を担当した丹羽圭子さんのインタビューから、興味深かった部分、意外な発見があった部分をロマンアルバムよりご紹介します。
ーーカルチェラタンのアイディアはどなたから出てきたのですか?
丹羽 それは宮崎(注:宮崎駿)さんです。変人の巣窟みたいな場所を作ると。鈴木(敏夫)さんから尾崎士郎の小説『人生劇場』の中に学生の討論会の場面があると聞き、参考にしようと思ったのですが、私は間違えて尾崎紅葉の『金色夜叉』を買ってしまって「どこにも出てこない!」と(笑)。結局、古い学生の雰囲気は、宮崎さんがほとんど作ってくださいました。講堂での合唱歌「白い花の咲く頃」も、宮崎さんがミーティングで歌ってくれましたが、私の知らない歌でしたね。鈴木さんですら知らなかったみたいです。
ーー宮崎さんは気持ちが入ってくると、登場人物になりきるらしいですね。
丹羽 そうですね。俊と海がコロッケを食べるシーンも身振り手振り演じていました。気持ちが入っているシーンだったんですね。
(中略)
ーー「メル」って、唐突に出てきたような感があったんですが。
丹羽 最初はメルというあだ名を説明するシーンがあったんですけど、結局なくなってしまって……。フランス語の「海」からきた呼び名なのですが。
丹羽 それは宮崎(注:宮崎駿)さんです。変人の巣窟みたいな場所を作ると。鈴木(敏夫)さんから尾崎士郎の小説『人生劇場』の中に学生の討論会の場面があると聞き、参考にしようと思ったのですが、私は間違えて尾崎紅葉の『金色夜叉』を買ってしまって「どこにも出てこない!」と(笑)。結局、古い学生の雰囲気は、宮崎さんがほとんど作ってくださいました。講堂での合唱歌「白い花の咲く頃」も、宮崎さんがミーティングで歌ってくれましたが、私の知らない歌でしたね。鈴木さんですら知らなかったみたいです。
ーー宮崎さんは気持ちが入ってくると、登場人物になりきるらしいですね。
丹羽 そうですね。俊と海がコロッケを食べるシーンも身振り手振り演じていました。気持ちが入っているシーンだったんですね。
(中略)
ーー「メル」って、唐突に出てきたような感があったんですが。
丹羽 最初はメルというあだ名を説明するシーンがあったんですけど、結局なくなってしまって……。フランス語の「海」からきた呼び名なのですが。
カルチェラタンは宮崎駿さんのアイデアだったそうです。言われてみれば、あの雑然としながらもどこか魅力にあふれている雰囲気は、いかにも宮崎駿さんのセンスな気がします。そして、海と俊はラストシーンのあとどうなったのか?についての興味深い発言が。
ーーラストシーンの後、海と俊はどうなっていくと想像しますか?
丹羽 シナリオではなかったのですが、最後に、海がまた庭で旗をあげるシーンが加わっていましたね。私は、お父さんの代わりに、今度は俊に向けて旗をあげているのだと思ったのですが、吾朗監督に聞くと、人はそんなに簡単には変われなくて、海はまだお父さんおために旗をあげているということ。きっと海は、お父さんのことを想いつつも、俊といっしょに前を向いて進んでいくと思います。
丹羽 シナリオではなかったのですが、最後に、海がまた庭で旗をあげるシーンが加わっていましたね。私は、お父さんの代わりに、今度は俊に向けて旗をあげているのだと思ったのですが、吾朗監督に聞くと、人はそんなに簡単には変われなくて、海はまだお父さんおために旗をあげているということ。きっと海は、お父さんのことを想いつつも、俊といっしょに前を向いて進んでいくと思います。
海と俊のこと、暗い未来が待っているはずはないですね。
そして、ラストシーンの旗、吾朗監督によるとあれはまだお父さんのためにあげているということ。あなたはどちらだと思いましたか?
ちなみに、海と俊の血縁関係がどうなっているのかよく分からなかった人のために、人物関係図をご紹介しておきます。
つまり、海と俊は血が繋がっていないということです。
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