映画『風の谷のナウシカ』は多くの方が観たことがあると思います。しかし、マンガ版はどうでしょうか?映画版に比べると少ないのが現状だと思います。
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まだ読んでいない方…なんてもったいない!!!映画版を観ていなくても必読書だというのに!「映画と同じ内容だろうから読まなくていいや」と思ってませんか?全然違うんです。コミック版は映画版の展開を遥かに超えた濃密で重厚な世界が広がっていくのです。今回は、そんな原作版、いや、原作という括りを超えたマンガ版『風の谷のナウシカ』の、映画版との違いを交えながら見どころをご紹介します。
映画版との違い&マンガ版の主要人物
▼基本的にコミック版も映画版も火の7日間により文明が崩壊したことは共通しているのですが、マンガ版の設定はより詳細なもの(以下)になっています。
ユーラシア大陸の西のはずれに発生した産業文明は、数百年のうちに全世界に広まり、巨大産業社会を形成するに至った。大地の富をうばいとり大気をけがし、生命体をも意のままに造り変える巨大産業文明は、1000年後に絶頂期に達しやがて急激な衰退をむかえることになった。「火の7日間」と呼ばれる戦争によって都市群は有毒物質をまき散らして崩壊し、複雑高度化した技術体系は失われ、地表のほとんどは不毛の地と化したのである。その後産業文明は再建されることなく、永いたそがれの時代を人類は生きることになった。
「ユーラシア大陸の西のはずれに発生した産業文明」「生命体をも意のままに造り変える巨大産業文明」などは映画版の設定には書いておらず、より具体的な文言となっています。
▼コミック版は全7巻。そして映画版の内容は全7巻中2巻までで、2巻以降は別作品となっております。しかし、そもそも映画とマンガでは対立する勢力が異なっているので、厳密に言えば、最初から全て異なっています。
映画では侵略者のような存在であったトルメキアですが、マンガ版では敵ではなく、土鬼(ドルク)という諸侯国連合がナウシカの戦う相手となっています。
▼土鬼の兵士
この土鬼とトルメキアの戦争に風の谷は巻き込まれる(トルメキアと風の谷は古くからの同盟国であるため、参加せざるを得ない)のがマンガ版の設定です。
▼映画版と大筋が同じなのはマンガ版の2巻までですが、ナウシカが王蟲の大群に轢かれる展開がない、ドロドロに溶ける巨神兵のシーンがない(その代わり、後に完全な形を保った巨神兵が登場する)など、細かな部分は1~2巻の時点でも異なっています。またペジテはアスベルを残し滅ぼされてしまっていますので、アスベルとラステルの母やペジテの市長などは登場しません。ナウシカの父ジルの死に方も異なっています。
▼火の7日間で世界が滅ぶ前にはエフタルという大国が存在していたこと、ナウシカはその末裔であることが明かされています。
▼王蟲は念話のようなもので人間と会話することが可能です。
▼映画版と大きく異なるクシャナの人物像。
勇敢な英雄、指揮官として描かれています。
また映画版では手足に欠損に見られましたが、マンガ版では欠損はないようです。
▼ナウシカの身を案じながらも、ユパと行動をともにするアスベル
▼コミックでも鬼強いユパさま
▼クシャナの父ヴ王と3人の兄
▼土鬼のトップである宿敵、神聖皇弟と神聖皇兄
皇弟ミラルパ
皇兄ナムリス
▼不思議な力で時にナウシカを導き、時に導かれる森の人セルム
▼セルムの妹セライネとマニ族の娘ケチャ
▼土鬼マニ族の僧であり軍司令官であるチヤルカ
▼特殊な力を持つ謎の少年チクク
映画版を超え、遥かに壮大で重厚になる物語
▼トルメキア戦役勃発。熱く悲しき戦い。
鬼神のような強さを見せるナウシカ。
鬼神のような強さを見せるナウシカ。
▼映画版よりも描写が過激で陰惨な展開。
容赦なく人がバタバタと死んでいく。
▼“絡み合う双頭の蛇”トルメキア内部に潜む謀略
▼クシャナの秘密
▼すべてを飲み込む巨大な粘菌と王蟲の大群『大海嘯』の発生
▼人工培養で作られた恐ろしき人造人間ヒドラ
▼ナウシカの心を挫こうと現れる『虚無』
▼神のごとき力を持つ巨神兵オーマ
▼ナウシカの苦悩と受難
▼そしてクシャナは…!?
▼クシャナが抱えるボロボロの男は…クロトワ!?
▼ユパに何が!?
▼テトの運命は!?
▼訪れる悲しき別れ…一体誰が…?(誰か、何人かはあえて書きません。読んで確かめてください。)
▼1000年以上生き、ナウシカを留めようする庭園の主。
彼女との会話で明らかになる、映画版の設定を覆す衝撃の真実。
ナウシカたちは清浄な世界では生きていけない…!?
▼土鬼の聖都シュワに眠る墓所の秘密、『墓所の主』とは何者なのか?
主が語る世界再生への計画とは!?
ナウシカの問いかけにどう答えるのか!?
▼ナウシカはどんな決断を下したのか!?
…まだ読んでない方、一度読み始めたならば、その濃密さに驚き、今まで読まなかったことを後悔すると思います!特に『庭園の主』と『墓所の主』が握っていた世界の秘密、そしてナウシカが最後に出した答えは、これだけで1時間は語れるテーマです。
私個人としましては、昔はナウシカの出した結論は正しいと思っておりましたが、今となっては多少の迷いが出てきました。ナウシカは正しかったのか?間違っていたのか?そのどちらともいえないのか?読んでみないとこの「語りたくなってしまう」感覚は味わえません。ナウシカが好き、ジブリが好きという感情を超える大傑作、絶対的にオススメです!
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