2023-11-02

『君たちはどう生きるか』公式ガイドブックに収録されている宮﨑監督のメインスタッフへの作品説明は多くの人が読むべきものである


ジブリ作品『君たちはどう生きるか』の公式ガイドブックが発売されました。こちらは作品を上映した映画館、TOHO animation STORE、三鷹の森ジブリ美術館オンラインショップ「マンマユート」で販売されています。そしてこの作品を理解する上で、雑誌SWITCH9月号と同じく非常に重要な一冊となっております。(※SWITCH9月号は、10月号の対談などと合わせて『ジブリをめぐる冒険』というタイトルで書籍化されましたので、この投稿の最後に掲載いたします)


ほとんどのページが重要かつ面白いのですが、今回は、特に宮﨑監督が2017年7月3日にメインスタッフへ行った作品説明が作品および宮﨑監督のパーソナルな思想を理解する上で非常に役に立つため、そちらをご紹介します。

以下、監督の作品説明です。

2023-10-30

「日本の漫画が大人気の一方でアメコミの売り上げは落ちている」という嘘について


「注目されて閲覧数と金が稼げれば事実じゃなくても関係ない」という卑劣な価値観が長年改善されないネット空間ですが、これにはどの娯楽や思想・政治信条等々も被害を受けています。アメコミもそのひとつ。特にSNSや質の悪いまとめサイトでは「日本の漫画が海外で爆売れ!一方アメコミは凋落している!」という意見が定期的に散見されます。

まず結論から書きますが、嘘です。後述しますが、事実は「北米では日本の漫画もアメコミも2022年までは売り上げが上昇しているが、漫画は2023年1月から8月時点では売り上げが減少している」です。

なぜ「アメコミは日本の漫画に押されて売れなくなった」という、データを見ればすぐバレる嘘を広めるのか全く理解できないのですが、ある意味「この程度でもコイツら信じるだろ。どうせデータなんか見ないし」という形でナメられてるのではないでしょうか。何か政治的な思惑で日本人をそのように誘導したいのでは?という意見もあるのですが、なんにせよ、それを信じていずれ大恥かくのは日本人なので大変迷惑です。

というわけで、アメコミと言えば当然アメリカですので、北米での漫画とアメコミの売り上げのデータを見ていきます(一部世界の売り上げも含みます)。参照するサイトはICv2(https://icv2.comです。(ICv2はCircanaが収集した書籍売り上げのデータを毎月公開しています)

2023-10-27

7年の歳月を経てついに完成!『風の谷のナウシカ』と宮崎監督に敬意を評して作られた実写ショートフィルム「WIND PRINCESS」


4年前(!)にこのブログでもご紹介した、ブラジル人クリエイターの方々によって制作されていた『風の谷のナウシカ』と宮崎監督に敬意を評する実写ショートフィルム「WIND PRINCESS」が、ついに完成、晴れてお披露目となりました。監督のクリス・テックスさんによれば、トータルで7年の歳月が掛かっているとのこと!

以下、ご覧になれば分かりますように、内容は完全にナウシカ冒頭から王蟲を鎮めるまでを実写で再現したものとなっております。


2023-10-23

安心してください、『君たちはどう生きるか』は、宮﨑監督にも分からない作品です。


『君たちはどう生きるか』、無事にヒット作となりました。しかし、ジブリ作品としては難解な部類に入るため、「意味が分からない」という意見も多いようです。何らかの暗喩を読み取らなければいけない作品としては平易な部類に入るのですが、この手の作品に慣れていない方には「何が言いたいのか分からない」作品であるようです。

しかし、安心してください。履いてm この作品、作った宮崎監督も完全に理解しているわけではなかったようです。

以下、フル・フロンタルというウェブサイト(https://fullfrontal.moe)に掲載された井上俊之さんへのインタビューからの抜粋です。

2023-10-22

実現していたら印象が大きく違っていたかも?製作できなかった『天空の城ラピュタ』のラストシーン


今回は、書籍『スタジオジブリ物語』より、当初存在していた『天空の城ラピュタ』のラストシーンのアイデアをご紹介します。以下、その部分抜粋です。

物語のラストシーンでは、パズーが製作中だったオーニソプター(羽ばたき飛行機)を登場させるアイデアもあったが、オーニソプターを飛ばすとなると作画が難しくなるため、これは見送られた。そのかわり本編で活躍したのがフラップター。これは昆虫型羽ばたき飛行機で、英語のフラップ(羽ばたくという意味)をもとに宮﨑が命名したものだ。

このオーニソプターへの宮崎監督の愛は熱いもので、かつて販売されていた書籍『宮崎駿イメージボード集』では、このオーニソプターとフラップターへの思いを4ページに渡って描いておりました。