2016/09/19

“アート・アニメーションの神様”ユーリー・ノルシュテインの代表作『霧の中のハリネズミ』


「日本の“アニメ”」を越えて「世界の“アニメーション”」に踏み込んだ時に、必ず知ることになる巨匠、それがユーリー・ノルシュテインです。
1941年ソ連生まれのロシア人アニメーター。切り絵を用いた緻密な作風で知られ、アート・アニメーションの神様的な存在。日本でも高畑勲監督が解説本を出版するなど、世界中のアニメーターからリスペクトされている。

ノルシュテイン氏はスタジオジブリとも関わりがある方で、ジブリ美術館で『ユーリー・ノルシュテイン展』が行われたこともあります。また宮崎駿さんも長編引退会見で「ノルシュテインは友人です。負けてたまるかという相手でして……それほどでもありませんが(笑)」という言葉を残しています。

ちなみに以前ご紹介したアニメーション作家【アレクサンドル・ペトロフ】は彼の弟子に当たります。今回は、ユーリー・ノルシュテインの代表作のひとつ『霧の中のハリネズミ』(または霧につつまれたハリネズミ)をご紹介します。彼がなぜそこまで敬愛されているのか、この一作だけで分かるかもしれません。


■霧の中のハリネズミ(霧につつまれたハリネズミ)

小さなハリネズミがハンカチにつつんだジャムの壷をかかえ、仲良しのコグマの家へ向かう。その途中、野原の霧の中で 道に迷ったハリネズミがさまざまな不思議に出会う・・・。いつしか観客もハリネズミと一緒に霧につつまれたような不思議な気持ちになる、一度見たら忘れられない作品。

こちらが本編の動画です。


霧の中の世界の圧倒的な表現、静寂、張り詰めた緊張感、光のほのかな暖かさ、幻想…日本の“アニメ”とはまた違う詩的な演出が新鮮で、心を打たれる作品です。切り絵で作られたアニメーションが、リアリティと実体性を持ち、そこにもうひとつの「異世界」「宇宙」すら感じさせます。

ノルシュテインのもうひとつの代表作として挙げられるものに『話の話』という作品があります。こちらはより抽象的で“言葉にならない感覚”を、緩やかに、しかし力強く刺激してくる傑作です。作品集もブルーレイで再販されましたので、興味を持った方は、是非ともこの詩的世界に触れてみてください。

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