2023-05-27

【ちょっと残念かも】宮崎監督はジブリ版『魔女の宅急便』のキキとトンボが恋仲になったとは思っていない。


ジブリ版『魔女の宅急便』、観終わったあとに、皆さんはキキとトンボの関係はどうなったと思いましたか?


多くの方は、その後二人は恋人同士になったのだと思ったのではないでしょうか?私もそう思いました。実際に、原作小説ではキキとトンボは結婚し、子供も生まれます。ですから、やはり映画版でも二人は恋人になり、やがて結婚したのだろう…と推測するのは自然な解釈だと思います。

ですが、そこが「原作のある作品を映画化する」ということの微妙な問題なのです。ある作品が、例えば小説が映画化する場合、設定や物語などが一切変らわず、100%原作に忠実に描かれるとは限らないのです。

ここには様々な事情が絡んでいるのですが(媒体の変化による変更の必要性、上映時間あるいはテレビアニメ化なら放送期間の問題、クリエイターのこだわり、時代に合わせたアレンジなど)、ジブリの魔女の宅急便も、やはり原作から変更している部分はいくつも存在しています。(参考:『魔女の宅急便』 本当は飛行船のクライマックスシーンは存在しないはずだった! 

そして、残念ながらキキとトンボの関係も原作通りではないようです。それは、書籍『ジ・アート・オブ 魔女の宅急便』の125ページに宮崎監督の言葉として載っています。以下、そのページの抜粋です。

2023-04-20

1989年9月号のアニメージュ表紙のキキは「3年後のキキ」ではありません。


先日、とある方からメッセージを頂きました。それによると、アニメージュの1989年9月号の表紙を飾ったキキに関するデマが酷い、とのこと。で、そのデマというのは、アニメージュの表紙に描かれたキキが「『魔女の宅急便』より3年後のキキ」だとしてネットに出回っている、というお話でした。

それではまず、以下に1989年9月号のアニメージュの表紙をご紹介します。(私の所有している1989年9月号は状態が良くないため、某オークションにあった画像をいただきました)こちらを手掛けたのは近藤勝也さんだそうです。


そして「3年後のキキ」でネット検索してみたところ…なるほど、これは確かにひどい状態です。

ですので、今回は即否定します。上記の表紙は3年後のキキを描いたものではありません。答えはまさにこのアニメージュ1989年9月号に載っております。以下、その当該ページです。キキとウルスラの声を担当した高山みなみさんのインタビューの箇所に答えはあります。

2023-04-05

雲研究者・荒木健太郎さんによる『天空の城ラピュタ』に登場する「竜の巣」についての科学的考察を、さらに噛み砕いて説明してみた!


『天空の城ラピュタ』に登場する、ラピュタをその身に隠した巨大な雲の塊「竜の巣」。


作中では、とても危険で広大な空間として表現され、パズー&シータとドーラ一家のラピュタ到着を大きく阻む障害として描かれています。

そして、パズーにとっては非常に意味を持つ幻影を見るシーンでもあります。


竜の巣は具体的にはどういう構造で成り立っているのか、(もちろん)作中では深く語られませんし、その点を理解していなくても作品は十分に楽しめます。ですが、作中の台詞からは、ラピュタ人が自らの住処を隠すために高度な科学力で生み出した産物であると解釈できるようになっています。

では、あれは高度な科学力による架空の気象現象であって、現実には存在し得ないのか、といえば、そうでもないようです。竜の巣は現実にも存在できるようなものなのか?その問いに対して、科学的見地から考察を試みた方がいます。雲研究家の荒木健太郎さんです。以下、荒木さんのツイートです。


ツイートをブログに貼り付ける形式ではやや小さくて見えないかと思いますので、荒木さんがツイートした画像をここに転載させていただきます。(クリックorタップで拡大できます)


2023-03-22

書籍『宮崎駿とジブリ美術館』には天空の城ラピュタのドーラの若い頃(新作)が描かれている!


スタジオジブリが好きな方なら知っているであろう書籍『宮崎駿とジブリ美術館』。


ジブリ美術館開館から20年の間に宮崎監督によって描かれた膨大な数のイメージをカラーイラストで掲載した書籍であり、収録されている絵はなんと900点以上!他にも、美術館開館当初からのスタッフが語る知られざる宮崎駿監督のエピソードや、宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサーによる本書のための新規インタビューなど、盛りだくさんの凄い本となっております。

この本は、『美術館をつくる』と『企画展示をつくる』の2冊に分かれており、『美術館をつくる』には、ジブリ美術館の内装、映画館、常設展示、カフェなどがどのように考えられ、作られたのかが数多くのイメージボードとスケッチとともに描かれています。一方、『企画展示をつくる』には、宮崎監督が深く関わった13の企画展の実現にむけての舞台裏が、膨大な絵とメモによって紹介されています。

今回は、その『企画展示をつくる』に収録されている『天空の城ラピュタ』ファン大歓喜のとある絵をご紹介します。

まず『企画展示をつくる』は、2002年10月から2004年5月まで行われていた『天空の城ラピュタと空想科学の機械達展』のために宮崎監督によって描かれた絵と文章が紹介されています。

例えば、ジブリ美術館やジブリパークで限定上映されている短編映画『空想の空飛ぶ機械達』のために再び描き起こされたタイガーモスの内部図解など、ファン垂涎のものが掲載されているのです。

こうして見ると、本当にギューギュー詰めであることがよく分かります(笑)

次に、この企画展のために考えられた「悪漢たちの基地」が掲載されています。



これらの絵と設定は『天空の城ラピュタと空想科学の機械達展』のためだけに書かれたものであり、この企画展に行かない限り見られなかったものです。ああもったいない!!!ああ映像化して欲しい!!!

ところで、この「悪漢たちの基地」のひとつ「動く海賊島アマゾネス号」は、左上に描かれている女性がキャプテンだそうです。赤ちゃんを抱えているので、母をやりながら海賊のキャプテンをやっている模様。元気ですねえ。


ちゃんと名前も与えられています。ドーラさんだそうです。


…ん?ドーラ?海賊のドーラ…?まさか…。

2023-03-18

どこで出てきたか分かる?作中の小道具を並べることでジブリ作品を表現したアート!


ジブリ作品に登場した小道具をズラッと並べることで、その作品を表現したアートをご紹介します。制作された作品は、千と千尋の神隠し、となりのトトロ、もののけ姫、ハウルの動く城の4作品となっております。以下、インスタグラムに投稿された作品ですので、千と千尋以外の作品を見るには、画像の右にある矢印をクリックあるいは画面をスライドしてご覧ください。




ひとつひとつ見ていくと、「あ、これはあのシーンにあった…!」や「こんなもの、この映画に出てきてたかな…?」など、細かく楽しむことが出来ますね。ちなみにこれらの小道具は、作者のJordan Boltonさんによるとミニチュアで作られているそうです。






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