「注目されて閲覧数と金が稼げれば事実じゃなくても関係ない」という卑劣な価値観が長年改善されないネット空間ですが、これにはどの娯楽や思想・政治信条等々も被害を受けています。アメコミもそのひとつ。特にSNSや質の悪いまとめサイトでは「日本の漫画が海外で爆売れ!一方アメコミは凋落している!」という意見が定期的に散見されます。
まず結論から書きますが、嘘です。後述しますが、事実は「北米では日本の漫画もアメコミも2022年までは売り上げが上昇しているが、漫画は2023年1月から8月時点では売り上げが減少している」です。
なぜ「アメコミは日本の漫画に押されて売れなくなった」という、データを見ればすぐバレる嘘を広めるのか全く理解できないのですが、ある意味「この程度でもコイツら信じるだろ。どうせデータなんか見ないし」という形でナメられてるのではないでしょうか。何か政治的な思惑で日本人をそのように誘導したいのでは?という意見もあるのですが、なんにせよ、それを信じていずれ大恥かくのは日本人なので大変迷惑です。
というわけで、アメコミと言えば当然アメリカですので、北米での漫画とアメコミの売り上げのデータを見ていきます(一部世界の売り上げも含みます)。参照するサイトはICv2(https://icv2.com)です。(ICv2はCircanaが収集した書籍売り上げのデータを毎月公開しています)