ジブリファンならばよくご存知だと思いますが、宮﨑監督は後進を育てる人としてはかなり問題アリな方であり、それはシンプルに理不尽なこともあるようですが、アニメーターにかなりハイレベルな能力を求めるからでもあるようです。
今回は、『Full Frontal』という、日本アニメの記録、分析、インタビュー、翻訳を行う海外のサイトにて行われた、日本のアニメーターの中でもトップクラスの実力を誇る井上俊之さんへのインタビューから、宮﨑監督がアニメーターに求める高い条件をご紹介します。
井上俊之さん(出典:Full Frontalより)
それでは、以下がその部分抜粋です。
Q. 井上さんは昔から宮崎監督の作品が大好きだそうですので、どうして怖かったの?
井上俊之. いろいろ怖い話が聞こえてくるわけですね。『ナウシカ』『ラピュタ』『トトロ』で何人か知り合いが参加して、宮崎さんに激しく怒られたとか、途中で降ろされた話しとかを聞いていたのです。
Q. 結局宮崎監督とのやりとりはいかがでしたか?
井上俊之. 聞いていたほど恐ろしくはなかったですが、時々は怒ってました。僕も森本晃司さんと遠藤正明さんと供に別室に連れて行かれて説教されたことがありました。学校の先生のようでしたね。
Q. でも結局勉強になりましたか?
井上俊之. 勉強になったというか、もっと自分は上手に描けると思ったけれども全然うまく描けなかった。宮崎さんの望むレベルに届かないことを痛感した。
(中略)
ジブリのキャラクターは立体としての正しさみたいなものは大事ではなくて、柔らかいマンガ的な絵です。動きにしても宮崎さんの望むものは理屈や正しさが絶対ではなくて、やっぱり宮崎さんの思う情感とか感情とかがもっとストレートに出さないといけない。どうしてもその直前の仕事に引きずられて理屈で考えすぎてしまう癖が出だしていて。