スタジオジブリの作品には、ほとんどの場合において「サウンドトラック」と「イメージアルバム」の2つの音楽アルバムが存在しています。そしてこの2つのアルバムの違いは非常に面白く、特にイメージアルバムは作品を理解する上で非常に役に立つ音楽集になっていることが多々あるのです。
「サウンドトラック」と「イメージアルバム」はどう違うのか?まずサウンドトラックは、ご存知の通り映画などの媒体で使用された音声や曲を収録したものです。対してイメージアルバムは、映画の制作段階でその作品の世界観からイメージして作られた楽曲集のことを指します。ですから、映画本編で使用される劇中音楽とはやや異なっている曲、全く使用されなかった曲も数多く存在します。
そしてこのサウンドトラックとイメージアルバムの違いがとても面白く、またイメージアルバムには「映画本編では使用されなかった曲」として切り捨てるのはあまりにも惜しい、むしろ作品を理解する上で非常に重要な意味を持っている曲が多々あるのです。
そんなジブリ作品のイメージアルバムの中でも、非常に特別な重要性を持っているのが『となりのトトロ』のイメージアルバムです。(表記は「イメージ・ソング集」になっています)
このアルバム、基本的には映画本編で使われた曲が収録されているのですが、サウンドトラックと大きく異なる点があります。それは、なんとほぼ全曲が歌詞の付いた歌になっている点です。
収録曲の作曲はもちろん久石譲さん、ほとんどの作詞は中川李枝子さんで、一部は宮崎駿監督、W.シティ制作部(すみません、どういう方々なのか存じ上げておりません)の手によるもの、歌っている方は複数いて、半分ほどは「さんぽ」と主題歌「となりのトトロ」を歌っている井上あずみさん、他には久石譲さん、森公美子さん、北原拓さん、杉並児童合唱団が名を連ねています。そのため、すべての歌がトトロ本編で使用されていてもおかしくなかった名曲になっているのです。
そこで今回は、音はもちろん載せられませんので、4つの歌の歌詞を、全文載せてしまうと流石に怒られてしまいそうなので、一部抜粋してご紹介します。