今回は、書籍『ジブリの教科書15 崖の上のポニョ』に収録されている、海洋生物学者の窪寺恒己さんによるポニョとフジモトへの考察が面白いものになっているため、一部を抜粋してご紹介します。
まず、フジモトとは一体どんな人物なのか、作中では書かれていない裏設定と合わせておさらいしておきます。
以下は同書の「ポニョを読み解く8つの鍵」に書かれているものです。
フジモトはポニョの父親であり、グランマンマーレの夫である“もと人間”です。しかし、彼がどこから来てどういう経緯でグランマンマーレと結ばれたのかは、映画の中では明らかにされてません。海の水から生命の力を集めて海の時代を取り戻そうと、日夜研究に励んでいる存在です。
宮崎監督によると、彼はもとネモ船長(ジュール・ヴェルヌの『海底二万マイル』に登場するノーチラス号の船長)の船に乗っていた唯一のアジア人の少年だったとか。
なんとフジモト、あの古典的SF作品の関係者でした!もしかしたら、ネモ船長と一緒に数々の大冒険をしていた可能性がありますので、かなり人生経験は豊富なのかもしれません。